「老害になりたくないなぁ」とボヤく40代がすでに老害になってるワケ
「けんすう」の名で発信を続ける連続起業家・古川健介氏のもとには、中高生から大人まで様々な人たちの相談が寄せられる。当連載「けんすうの頭の中」では、心のモヤモヤがスッキリ晴れる、けんすう氏の回答を紹介する。第5回は「老害になりたくないなぁ」を考える。 【この記事の画像を見る】 ------以下、けんすう氏のnoteとマシュマロに寄せられた相談・回答をお届けします------ ● 40代になると基本的には 「老害化」がはじまっている こんにちは!私けんすうは43歳なんですが、そうなってくると「老害になりたくないなあ」という話が良く出てきます。 そもそも、老害というのは何か。 定義はいろいろあると思いますが「歳を一定以上とった人が」「過去の成功体験・価値観・方法・人脈に固執すること」という考え方があります。 定義をもうちょっと広くすると、「年長者であるがゆえに得た、金銭や人脈、地位、権限などを利用して」「それらがない若年者の活動を阻害する」というのもありそうです。 今回は、老害についてまとめて話します! ちなみに「歳をとっても老害になる人と、そうでない人がいる」というのがたぶん正しいところなんですが、基本的には、みんな「自分は老害にならないと思っているけど、放っておいたらなる」と思っておいたほうがいいなと最近は思います。 また、老害の種類においても「あまり人生で大きな成果がでていないが故の自己肯定感の低さから、防衛本能として当たりが強くなる」みたいなパターンもあると思います。 ただ、今日は「着実に努力をして、成功したがゆえに陥る老害」のパターンを話します。
まずは構造的な話からいきます。 ● 老害になる構造 たとえば、「若い世代のリーダーを作ろう」という活動をしてたとします。会社の中とかで、「年齢を重ねた人ではなくて、実力で、優秀な若い人が権限を持てるようにしよう」みたいなのあるじゃないですか。 そして、それはだいたいにおいて、同じような世代の人たちががんばるわけです。 しかし、権限を持つまでには、長い時間が必要だったりします。なんだかんだ、いろいろがんばって、着実に前に進んでいった結果、すごく時間がかかったりします。対抗勢力みたいなのがやっぱりいるわけですからね。 そして、組織を作ったり、人脈を作ったり、資金をためたり、実績を作ったりと、あれやこれや、必要なものを積み上げ行くわけです。 そうして……50歳とか60歳とかになって、ようやく担いでた人がリーダーになるわけですね。すると、当たり前ですが、「そのリーダーの周りにいる人たちも、50~70歳くらいになっている」みたいな現象になってたりするわけです。 せっかくリーダーになったんだから、ちゃんと改革を実行にしたいわけなので、長い間、権限を持とうとします。対抗勢力が出てきても、ちゃんと勝てるようにします。 みたいにすると…。これ、次の若い世代から見ると「実績や人脈やお金などの面で有利な老人たちが、徒党を組んで既得権益を独占しようとしている」と見えちゃったりするんです。 そのときには「年寄りは、インターネットビジネスの勃興期の成功体験があるけど、古いんだよな。いつの時代だよ」とか「あの世代は、未だに脳にプラグを差さなくて、画面を使って仕事しているんだよ」みたいに言われてるかもしれません。 どのプレイヤーも「自分たちの世代で、正しいことをしよう」としているだけなのに、対立構造が生まれ続ける、みたいなのはありそうだなあ、と。