「老害になりたくないなぁ」とボヤく40代がすでに老害になってるワケ
● プレイスタイルを変えざるをえない 個人でいってもおこります。 まず、年齢を重ねるメリットとしては「お金や資金に余裕ができる」「経験値が多く、知見や知恵が増える」「権限や地位が増える」「人脈が増える。同世代が偉くなる」などだと思うんですね。 逆に失う者としては「長い間働く体力」「最新の技術や考え方、文化」「先入観がない考え方」などです。 「最新の技術や文化は勉強しているよ!」という人もいると思うんですが、たとえば「中学生のころからVRChatをバリバリやって、VRでのコミュニケーションが思春期のコミュニケーションの多くを占めていた」みたいな人の感覚に、「勉強する」というスタイルで近づくのはかなり難しいんじゃないかなあ、と。 どっぷりとVRの世界に浸る必要がありますし。だからといって、40を超えてからそれをやったとて、やはり思春期の時にやるのとは違うわけです。 というので、加齢とともに「持つ武器が変わる」というのはしょうがないわけですね。 なので、武器が変わったら、その武器をフル活用して戦っていかないといけないわけですが…。 基本的には、歳を取った人の武器って、複利みたいなのが効いてどんどんと強くなります。お金はお金を呼ぶし、人脈は人脈を呼ぶ。地位があると、その地位でやれることが増え、また実績が積み上がる、みたいな感じです。 そうすると、ある種、ハメ技みたいなことができてしまうんです。地位と権限とお金と人脈をフル活用して戦われると結構厄介になります。 そうすると「実力やセンスがないのに、そういうハメ技をしてくる老害」みたいに見えたりもするわけです。
● 誰もなにもいわなくなる さらに、そういうプレイをしてても、同世代にとっても得なので、周りは注意しない。 というか、「同世代がようやく日の目を浴びて、権限を持って、正しいことをしてくれるようになってきた」という感覚にすらなります。 で、誰もなにもいわなくなります。 さらに、地位や権限の高さから、多くの人が意見を求めたり、アドバイスを求めたりするので「自分が発言することで、多くの人の参考になるかも」という風に思いがちになったりして…。 結果として、話し合いの場で「めちゃくちゃ自分が話す側になっている」ということがあるのかなーと思いました。そもそも、若い人は、権限のある年上の前で、そんなにべらべら話せないですしね。 このあたりは自分を観測してても「あー、めっちゃ話しているわ」と思うので、すごくそういう状況になっているなと思います。 というわけで、自分自身を振り返っても、構造的に「老害」と呼ばれるような挙動になりやすいなーと思っています。 ただ、これを捨てるとなると、自分の強みや武器も捨てないといけないので、是正するのは結構難しいんだろうなとも。 さらに「年齢が上だろうと、下だろうと、それぞれの立ち場の正義を実行しているわけだし、常に若い人が正しいわけでも、年上が正しいわけでもない」というのがあるので、適度に世代間の緊張関係があるのはそれはそれでいいかもしれないなあ、と思いました。 では!
けんすう(古川健介)