平日と週末の生活が違いすぎ…じつは「平日の睡眠不足」を、「週末の朝寝坊で帳消し」にしようとすると、身体が「とんでもないこと」になる
規則正しい生活でも起こり得る
社会的ジェットラグは、2006年に名づけられた言葉です。 比較的規則正しい生活を送っていると思っている人でさえ、出勤や登校、家事などの「社会時刻」に合わせて起床し、平日の睡眠時間が短くなりがちです。国際的にみても日本人の睡眠時間は短く、平日の睡眠不足を解消するため、週末は朝寝坊をして帳尻を合わせます。 たとえば、平日は0時に入眠して6時に起床、休日は2時に入眠して10時に起床といった、平日と休日で睡眠のタイミングが異なる状況は、現代人にとってはあたりまえの生活習慣になってしまいました。 これがあたかも、週末の夜に数時間の時差がある地域に(西向きの)飛行をして、月曜日の朝に(東向きに)帰ってくるときに現れる時差ぼけ(ジェットラグ)のような現象をもたらすことから、社会的ジェットラグとよばれるようになりました。
30代の53%がジェットラグ
社会的ジェットラグは、平日と休日の睡眠時間帯の中間時刻の差として計算できます。中間時刻が午前2時以前ならいわゆる“朝型人間”で、午前6時以降なら“夜型人間”です。中間時刻が午前3時から4時の人は、“中間型人間”といえるでしょう。 みなさん自身の就寝時刻と起床時刻の中間時刻を計算してみてください。年齢が若い人ほど社会的ジェットラグが生じている頻度は高く、20代では61%の人が、30代でも53%の人に1時間以上の社会的ジェットラグがみられます。 みなさんはいかがでしょうか。 時間治療 病気になりやすい時間、病気を治しやすい時間
大塚 邦明(東京女子医科大学名誉教授/ミネソタ大学ハルバーグ時間医学研究センター特任研究員)