Facebook が主要指標を「閲覧数」に変更、パブリッシャーのソーシャル戦略への影響はほぼなし
記事のポイント Facebookは「閲覧数」を統合的な指標とし、全コンテンツのパフォーマンス測定を簡素化。 パブリッシャーは「閲覧数」を「リーチ」の再定義と見なし、戦略への影響を小さいと認識。 インスタグラムと共通の指標導入で、両プラットフォームのパフォーマンス比較が容易に。 Facebookはこのほど、「再生数(リプレイ)」や「インプレッション」といった指標を統合し、「閲覧数(ビュー)」をプラットフォーム上でのすべてのコンテンツのパフォーマンスを測定するための主要指標にすると発表した。5人のパブリッシャー幹部は米DIGIDAYに対して、この新しい主要指標はインプレッションを測定する別の方法に過ぎず、この変更は自社のFacebook戦略には影響しないと語った。 Facebookの決定は、姉妹プラットフォームであるインスタグラムが2024年8月に閲覧数を主な測定指標としたのに続くもので、メタ(Meta)が(ユーザーをほかのサイトへ誘導するのではなく)プラットフォーム上でのエンゲージメントに重点を置いていることを示すもうひとつの事例だ。 BDGのマーケティングおよびオーディエンス開発担当バイスプレジデントでソーシャル部門を率いるウェス・ボナー氏は、「(ソーシャルメディアプラットフォームが)2023年にパブリッシャーに示した兆候は、『何が優れたコンテンツであるかを判断する際に優先されるのはプラットフォーム上でどれだけ多くの人に見てもらえるか』ということだった」と話す。
インプレッションの「リブランディング」
いまのところ、この変更はパブリッシャーのソーシャル戦略にはあまり関係がなく、ある大手パブリッシャーのソーシャルメディア部門の責任者は、(主に米大統領選挙当日の報道で多忙だったため)この変更が何を意味するのか、きちんと検討する機会すらなかったとDIGIDAYに語っている。 「閲覧数という指標について考えたことさえなかった」と、このソーシャルメディアマネージャーは述べている。「リーチの包括的バージョンという感じだろうか。(中略)これは、インスタグラムのようなプラットフォームにおけるKPIのひとつであることは明らかだが、これまで我々にとって主要なトラフィック牽引役ではなかった」。 ボナー氏はこの動きを、インプレッションの「リブランディング」と呼ぶ。 「その呼び方が『閲覧数』に変わっても戦略は変わらない。しかし、我々は閲覧数、つまりリーチやインプレッションを見ることについて、そして動画、画像、リンクの投稿を見て何がうまくいっているかについてのインサイトを得ることについて、真剣に議論する必要があったと思う」とボナー氏は言う。「我々は、トラフィックを主要KPIとすることから解放される必要があった」。 ボナー氏によると、BDGでは、Facebookが変更を発表して以来、Facebookのコンテンツダッシュボードのデータセットから「リプレイ」という指標が消えた以外には、大きな変化は見られないという。しかし、BDGは、Facebookに投稿された画像やストーリーの閲覧数が、同一人物からの重複閲覧をカウントするようになったことで、「わずかに上昇」していることを確認している。「たいして重要ではないが、前月比でモニターしていく予定だ」とボナー氏は語る。