【赤裸々に語る】『全てを彼から学んだ』元検事正からの性加害を訴える女性検事が激白「正直言って憤り」検察庁の対応に「職員を守る気がない」(単独インタビュー全文掲載=前編=)
■検察庁の対応に「正直言って非常に憤り」「職員を守ろうという気がないのか」
A 検察庁に対しては、そういう事実関係を速やかに広報してもらったら、私にかけられた疑いというのはすぐ晴れるはずなのに、それすらも広報してくれない検察庁に対しても正直言って非常に憤りを感じました。 弁護人が職権乱用のことをマスコミの方に言ったのが、金曜日(12月13日)だったと思うのですが、その日の時点でその一報が私どものところに入って、全く事実が違うから検察庁に説明をしてほしいとすぐに言ったのですが、検察庁はその時点で説明をせず、私どもが自分で火消しをしなければいけない、違いますよと言わなければいけない状態になった。 翌週の月曜日(12月16日)に正式に検察庁に対して、事実関係を速やかに弁護人とマスコミの方々に説明をしてくださいと、私にかけられた疑いを晴らしてくださいと言ったのですが、検察庁としては訴訟外の出来事なので積極的にこちらからいちいちコメントをすることではない、検察庁側から積極的にすることではないとおっしゃって、説明を積極的にはしてくださらなかった。 しかし、訴訟外の出来事ではなくて裁判の証拠について、言ったら因縁をつけられていることですし、その裁判の被害者であり検察庁の職員が犯罪者の疑いをかけられているのに、なぜそれはそうじゃないと説明をしてくれないのか、そういう検察庁の対応に、非常に不信感とショックをずっと抱いてきているわけで、今回はそれのまた一つですが、本当に検察庁って被害者であり職員を守ろうという気がないのかということにすごく残念な気持ちです。 「現時点では職権乱用は把握していない」(検察庁の報道機関に対する回答)という留保も、「現時点で」と付けられると調べていったら私が犯罪しているように聞こえるかもしれないワードなので、そこも本当にひどいなと思って、本当に残念です。ちゃんと説明してほしいです、これからも。
■『組織のため』と繰り返す被告…女性検事「自己保身の一言に尽きる」
Q 北川被告は、逮捕当時は「同意があったと思った」と供述したが、無罪主張の方針に転換した。その度にあげられる理由が、「組織」という言葉で、被告側のこうした態度、姿勢については、どのように感じているか。 A 自己保身の一言に尽きると思います。被害直後は、彼は懇親会以降のことは何も覚えていないというふうに話していて、何も覚えていないけれども、私が、私をレイプしたでしょというふうに追及したら謝罪をして「申し訳なかった。警察に突き出してほしい」ということまで述べていたわけです。 当初は、私がその以前から誰にも知られたくないから警察に届け出たりすることができないということを彼に伝えていたので、北川被告にしてみたら「警察に突き出してください」と言ったとしても私が突き出せないことを知っているから、パフォーマンスとして警察に突き出してくださいと言ったのか、ちょっと分からないですが、いまとなってはその時には同意があったと思っていたとかいう弁解すらしていなかったわけです。 本当に同意があったと思っていたのであれば、たぶんその一番最初の段階で、私が追及した段階で、「いや同意があると思っていたんだよ。だって君こういうふうなことを言っていたじゃないか。だからこれは犯罪じゃないよ」とたぶん言うと思う。でも直後には何も言わずに「警察に届けてください」と言ったわけです。 それから1年後に、私が許せない気持ちを募らせて上級庁に訴えると言ったら、そこで初めて同意があったと思っていたという主張を、そこで初めてしたのですが、同意があったと思っていたという根拠についてはほとんど何も合理的な根拠は述べていなかった。その後、北川被告は辞職をして、そこから好き放題いろんなことをして、検察庁にも影響力を及ぼし続けて、私はそれが許せなくて被害申告に至ったのですが、彼は辞めるときに「検察組織を守るために口外するな」というふうに私を脅迫しました。それ自体も検察組織を守るためではなくて、自己保身のために口止めをしたということは今なら思いますが、当時は検察組織を守るためにというのは、私自身も私にとって大事な検察組織を守らなければいけないと思って被害申告できませんでした。