【赤裸々に語る】『全てを彼から学んだ』元検事正からの性加害を訴える女性検事が激白「正直言って憤り」検察庁の対応に「職員を守る気がない」(単独インタビュー全文掲載=前編=)
■「検事の振る舞いや捜査、全て被告から初めて学んだ」「真面目で誠実な上司」のはずが…
Q 北川被告は事件前、女性検事から見てどのような人物であり、どのような上司、検事だった? A 被害を受けるまでは、彼に畏敬の念を持っていましたので、私が検事になって、本当に初めて指導を受けた直属の上司だったので、検事としてどう振る舞うべきかとか、どういう捜査をすべきなのかとか被害者にどう寄り添うのかとか、そういうことを全て彼から初めて学びました。 彼は非常に頭の切れる方で、彼の上司も北川被告に対して、すごく一目置いていましたし、部下はとにかく尊敬の念を抱いていて、とにかく優秀な方だと思っていました。私もそうですが、みんなそうだったと思います。指導自体はとても厳しくて、強い口調で指導する場面もよくありましたし、いま思えば、それはパワハラのワードだろうなと思うようなことも私自身言われたし、同僚も言われていましたし、とにかく厳しい方ではありました。ただ、指導の内容、言ってる内容自体はおっしゃる通りだと思ったので、その通りだなと思って、自分の力不足を反省しようと思って当時はやっていました。まだ1年目とかだったので。 人柄としては、仕事を離れるとすごくフランクな愛嬌のある方で、末端の職員に対しても顔文字みたいなものをつけてメールを送ってきたりとか、職務上のメールでも顔文字とかをつけて、上司としてはありえないようなフレンドリーなメールを送ってきたりする人だったので。そういうフレンドリーな性格だからみんなからも慕われていました。あとは倫理面でも厳しくて、例えば職場内でセクハラや男女関係になるなどした件があったとして、それに対してすごく厳しいことを言っていましたし、ありえないと言って、許されないと言っていたので、私はそういう意味でもすごく真面目な誠実な上司だと信じていました。 まさかまさかこんな人だと思っていなかったので。最高検の検事総長から数えて上位、大阪地検の検事正というのはすごく上位の立場にある人だから、本当に規範を示さなきゃいけない人であったはずなので、事件を受けるまではそういう印象でした。 私自身も1年目はそうやって直属でお仕えしていたので、交流も多かったですが、それ以降は直属で仕えることもなかったし、職場も離れたりしていたので、段々疎遠になっていって、事件の時なんかはメールでやりとりをすることもあまりなかったし、お酒を飲んだり食事することも、誰か検事と一緒に行くのでも5、6回行ったぐらいで、私にとってみたら、どんどんさらに尊敬する上司がもっと増えていくわけなので、結構疎遠になっていて、恩師であり検察庁の親みたいな存在ではありましたが。それを彼も、そう私が思っていることも知っていましたから、恩師として尊敬されているということを彼自身も分かっていますから、だから男女関係になるはずがないということも彼は分かっていたはずです。