【赤裸々に語る】『全てを彼から学んだ』元検事正からの性加害を訴える女性検事が激白「正直言って憤り」検察庁の対応に「職員を守る気がない」(単独インタビュー全文掲載=前編=)
■「実刑判決が見えてきて否認に転じたのでは」「検察組織を守る気なんて1ミリもない」
A 仮に、北川被告が本当に検察組織を守るために、これを公にしたらいけないと思っていたのであれば、自分が捜査の対象になったことが分かった去年の段階、逮捕されたりした段階で公になって、検察組織に迷惑がかかったのだから、そこでちゃんと認めればいいと思うのですが、結局逮捕されたときに認めもしなかった、同意があったと思っていたというふうに主張をしていました。しかし、何の根拠も言わなかった。彼は何も覚えていないからと言って、だから同意があったと思っていたと言っているだけで、根拠は示せなかった。その後段々、証拠関係が分かっていくにつれ、こういう主張をしてもどうせ通らないのだとおそらく思ったのだろうと思うのですが、罪を認める姿勢に転じた。 ただ、彼は誤算があって、認めれば私が多少は許す気持ちになって彼の言う損害賠償の申し入れを受けて、賠償金を払えたら執行猶予判決があり得る可能性があると期待したのではないでしょうか。また初公判で認めれば保釈してもらえると、裁判所が保釈許可をしてくれるのではないかと目論んでいたのだと思います。ですが、私は損害賠償は刑事裁判が終わるまでは受け取らないと表明していましたし、そこで執行猶予判決の芽は絶たれた。初公判後に保釈請求したけれども、良識ある裁判所が保釈を却下した。そうすると外に出ることもできないし、実刑判決が見えてきて、そこで彼は本当に少しでも自分が助かる道として再度否認に転じるという手を使ったのではないかと思います。 また、彼の親しい女性副検事が、私の事件に関して捜査妨害をしたりしていた疑いがあることや名誉毀損しているような疑いがあることについて、私が告訴・告発しているので、彼女の処罰をさせないために北川被告が自分が無罪だという主張をすることで、その副検事をかばいたいという気持ちもあったというふうに思いますから、北川被告の言う「検察組織を守るため」というのは本当にそんなわけないだろうということで、検察組織を守るのだったら、罪を認めて、これ以上組織の批判を受けないようにすべきだと思うし、誹謗中傷を被害者がされているわけですから、そういうことをしないように女性副検事に言うべきだと思うし、どこが検察組織を守っているのだというふうに思いますし、否認に転じたら検察組織の捜査を批判するということになりますから、検察組織を守る気なんて1ミリもないのだと思います。 Q (北川被告は)言っている内容と行動が合わないと思われるということ? A そうですね。検察組織のことを本当に考えているのだったら、まずこんな事件を起こさないと思います、そもそも。自分は800人の職員を抱える検察のトップで、最も検察官として法律を守って、人を傷つけない行動を示さなければならない人であったはずです。その人が泥酔した部下に対してレイプしているわけで、検察組織を守る気があるのだったら、そもそもそういう犯罪を行わないはずだから、彼に検察組織を守るというような言葉を発する資格はないと思っています。