【能登半島】震災・豪雨で被災「義務感の支援でなく、楽しんで”また来たい”と思ってほしい」。移住の20代男性が、いまホテル・喫茶バーをオープンする理由 珠洲市
楽しくないと、続かない。継続的に、能登と関わってもらえるきっかけになれたら
現在は、お店で寝泊まりしながら、不定期でカフェをオープンし、お店を支援物資の受け入れと配布の拠点として地域にひらいているそう。最後に、「notonowa」や「惚惚」が地域にとってどのような存在になっていけたら良いのか、畠山さんの今後にむけた想いや展望をうかがった。 「惚惚は飲食店なんですが、ライフラインとして食を提供するというよりは、ここに暮らす人や、能登に訪れた人にとって楽しみの場でありたいと思っています。地元の人が、ちょっとひと息つきたい時にふらっと立ち寄れたり、外から訪れた人にとってもお気に入りの場所になったり、誰かとつながれる入口になったり。 被災地について話すときって、どうしてもネガティブな話になりがちだと思うんですけど、僕たちは次の話をしたい。ここから、どう面白くできるか。どんな未来を描けるのか」
支援物資の受け入れや配布を行っている中で、必要な物資や人員は同じものではなく、刻一刻と変わっていくと話す畠山さん。物資を1度送って終わり、1度ボランティアに参加して終わり、ではなく、継続的な支援が求められていると感じている。 「きっと皆さんがニュースを見て抱いている能登の印象と、本当の能登の姿は乖離があると思います。立ち直ったとは言えないし、僕も含めて当たり前の生活を失った人も多くいる。甚大な被害があることは事実だけど、それだけじゃない。能登で日々活動していると、ネガティブなイメージが先行してしまっているなと思います。 能登に来てもらえたら、きっと僕が伝えたいと思っていることが分かってもらえるんじゃないかと思います。もし支援に来てくださる人がいるとしたら、できれば1回きりではなく、継続的に来てもらえたらうれしいですね。そのためには、「楽しい」と思える気持ちがないと、なかなか続かないと思うんです。「助ける」というスタンスだけだと、きっと大変だから。 僕も含めて、この地域にいる人はみんな、「能登に来てもらいたい」と思っているし、「また来てね」って言いたい。その楽しみを提供するひとつの場として、「notonowa」や「惚惚」が存在し続けられたらと思います」 畠山さんの支援活動の様子や、今後に向けた思いなどを収録したドキュメンタリー映像がYouTubeで公開されています。ぜひそちらもご覧ください。
SUUMOジャーナル 編集部