勝利をグッと引き寄せるFK弾を蹴り込んだMF櫻井文陽(3年)(Koyo KODAMA/GEKISAKA)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [9.9 総理大臣杯準々決勝 明治大0-2阪南大 いわぎんB] 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 「マジ狙い通りっス!」。会心のFK弾に笑顔が弾けた。阪南大は1点リードで折り返した後半12分、ゴール正面の位置でFKを獲得すると、MF櫻井文陽(3年=阪南大高)が右足で直接狙う。華麗な放物線を描いたシュートは、ゴール右隅に突き刺さった。 「本当は(壁の)外から巻こうと思ったけど、上に蹴っても入りそうだったので思い切って狙いました。練習から何本も決めていたので自信があったので、自分で行きますと言って蹴りました。押される時間帯もあったけど、みんなで一つになって戦えたかなと思います」 　相手をリスペクトしつつ、ビビらずに。この日の戦いにおける阪南大が掲げていたテーマだった。相手にした明治大はすでにJ1内定者が5人、対する阪南大はJリーグ内定者ゼロのメンバー構成で挑んでいた。「関西にはそんなにJ1内定者がいるチームはないし、こっちはゼロでやばいなという話はしていたけど、相手をリスペクトしつつ、ビビらないでやろうと真っ向勝負できたかなと思います」。会心の“下剋上”に確かな手ごたえをにじませた。 　阪南大高出身で、現在湘南ベルマーレで活躍するFW鈴木章斗は当時の同級生。櫻井自身も10番を背負い、中心選手として母校に高校選手権初勝利をもたらした。その3年前の高校選手権は3回戦まで進んだが、青森山田高に敗戦。この日はその当時のメンバーだったMF藤森颯太(3年=青森山田高)との再戦になっていた。「向こうは絶対覚えてないと思うけど、こっちからしから同世代の有名選手。借りを返したじゃないけど、悔しい思いはしていたので、そういう気持ちを持って戦えたと思います」。 　12年ぶりのベスト4に進出した阪南大だが、関西予選は6位と今大会より増えた出場枠の恩恵を受けての本選出場になっていた。ただその予選で敗れた京都産業大を2回戦で破ると、関東王者の明治大に快勝。12年ぶりの頂点を意識してもいいチームに仕上がった。「優勝という思いはみんな持っていると思うけど、次の東京国際大に対してどれだけ準備できるかがすごく大事になってくる。そこに自分たちがやってきたこと。それ以外出ないと思うんで、今まで約半年みんなでやってきたことを出せるようにすることで、結果もついて来ればいいなと思います」。下剋上の夏はまだまだ終わらない。