全米メディアの注目点は”リアル二刀流”大谷翔平がわずか78球で降板した理由…「かなり多くの運動量」
エンゼルスの大谷翔平(26)は17日(日本時間18日)、本拠地のタイガース戦に「2番・投手」のリアル二刀流で先発出場し6回78球を投げ、失点は6回にジョナサン・スコープに浴びたソロアーチだけの5安打1失点5奪三振にまとめて今季3勝目を挙げた。大谷は、これが10度目の先発登板で、2018年以来3年ぶりに「2桁本塁打、2桁盗塁、2桁先発登板」を達成、複数回の達成はメジャー初の快挙だという。打撃は2四球、一塁ゴロに終わったが、チームは7-5で勝利した。 新型コロナによる人数制限が解除され、3万709人のファンでスタジアムが埋まった初日のゲームには様々なことがあった。 4回には、先頭のジェイマー・キャンデラリオにシフトを敷いたため、誰もいない三塁方向を狙ってセーフティーバントで強いゴロを転がされたが、大谷はなんとダイビングキャッチでストップした。立ち上がりすぐ送球したが、結果は、セーフ。続く4番の通算3000本安打に近づいている38歳の“レジェンド”ミゲル・カブレラには、フォークが抜けてしまった。頭部を襲ったが、避けた左ヒジに当たった。大谷は、帽子を脱ぎ“謝罪”。その次の回に四球で歩くと一塁手のカブレラに、パンチのジェスチャーをされ、その後、笑顔で背中をポンポンと2回叩かれるほほえましいシーンもあった。全米メディアが注目したのは、好投しながら78球で降板した理由だった。
新型コロナによる入場制限が解除され3万709人のファン
地元のオレンジカウンティ・レジスター紙は「大谷、テイラー・ウォードが『再開の日』の勝利へエンゼルスを力づける」との見出しを取り、ファンでスタジアムが埋まった初日の快勝を伝えた。 「大谷が力強い6イニングを投げ、ウォードが満塁本塁打で終盤の攻勢を活気づけた」 記事は大谷の投球について「観客は6イニングで6回のスコーブのソロアーチだけに抑えた大谷の新たな堅実なパフォーマンスを目にした。大谷は、将来殿堂入りするカブレラから、6回二死から、今季73個目となる三振を奪った。この日、5奪三振だった」と絶賛。 「彼は守備陣にも助けられた」とし、2回一死走者なしから7番のアキル・バドゥーにライト線を破られたが、ライトのウォードの返球をルイス・レンヒフォが華麗に中継して三塁でアウトにして大谷が右手を突き上げ絶叫したシーンと、4回一死一、二塁のピンチをシフトディフェンスで併殺打に切り抜けたプレーなどを示唆した。 また大谷のピッチングも分析。 「大谷は、直球とスプリッターから離れ、今季のどの試合よりも多くスライダーを投げた。この試合までの彼のスライダーの割合は9%だったが、この日は41%を占めた」と、スライダーを軸に打たせるピッチングに徹していたことを紹介した。 その上で、わずか78球で降板になった理由に注目。 「大谷が効果的な投球を見せたが、彼はまだ投球数が少ないところ(78球)で降板した。マドン監督は、走者としてファウルになった数球でスタートを切っていたことを含め『走塁に多くのエネルギーを使ったため』と(早期降板理由を)語った」と付け加えた。