なぜ呼ばれない? サッカーU-23日本代表に招集されなかったJリーグの主力選手6人。パリ五輪行きの切符を逃した男たち
DF:バングーナガンデ佳史扶(バングーナガンデ・かしーふ)
生年月日:2001年9月24日 所属クラブ:FC東京 2024リーグ戦成績:17試合2得点2アシスト J屈指の左サイドバックであるバングーナガンデ佳史扶をパリ五輪で見たいと願っていたファンも多いのではないだろうか。 大岩剛監督は、今月20日に放送されたテレビ東京『サタデーナイトJ』にVTR出演した際にU-23日本代表のテーマについて「“攻撃的”というフレーズを常に口にしてきた」と言及した。 そこで思い浮かぶのが、一列前の選手と連携しながら左サイドを駆け上がり、槍となって積極的に攻撃を仕掛けるバングーナガンデの姿だ。強烈な左足の一撃で得点も狙える男は、まさに大岩ジャパンで輝く“攻撃的”サイドバックの理想像そのものである。 今回、パリ五輪メンバーで左サイドバックの主力を務めるのは大畑歩夢(浦和レッズ)だ。大岩ジャパンの常連組だったバングーナガンデを急速に追い抜いてパリ行きを勝ち取った格好だが、U-23日本代表がパリ五輪出場権を勝ち取ったAFC U23アジアカップ カタール2024でレギュラーとして充実のアピールができたのは大畑にとって大きかった。 U-23日本代表の左サイドが行き詰まるようなことになった時、多くの人はバングーナガンデを恋しく思うかもしれない。応援する側からすれば、そのようなシチュエーションが訪れないことを願うばかりだ。
MF:田中聡(たなか・さとし)
生年月日:2002年8月13日 所属クラブ:湘南ベルマーレ 2024リーグ戦成績:19試合3得点2アシスト U-23日本代表の中盤はまさに激戦区だ。海外移籍を控えていたとはいえ、松木玖生(FC東京)を選外とする決断を下せるほど、中盤の選手層は厚い。そのため、もともとU-23日本代表の中で絶対的な存在とまでは言えなかった田中聡がパリ行きを逃したのも致し方ないことなのかもしれない。 だが、田中が希少な左利きのボランチである点、湘南ベルマーレの偉大な先輩である遠藤航を思わせる球際の強さがある点を踏まえると、パリにその姿があっても良かったのでは?と考えてしまう。 ボランチにとどまらず、複数ポジションをこなせるのも田中の魅力だ。湘南では守備時に1列下がって最終ラインに入ることもあり、U-23日本代表では逆に1列前でプレーしてゴールを決めたこともある。1人で何役も担える存在は、五輪のような短期決戦で重宝される傾向にある。 今年4月、平塚市内で行われた湘南の非公開練習後に『スポーツ報知』の取材に応じた田中は「いろんなところができた方が有利だと思っている。どこで出ても良いパフォーマンスを出したい」と語っていた。ポリバレントな田中が本大会メンバーに入っていれば、U-23日本代表はさらに多くの戦術的な選択肢を持つことができたかもしれない。