巨人・スガコバが7年ぶり2度目バッテリー賞! 来季へ 菅野託した「日本一」小林「他の投手と受賞して嫉妬心を」
巨人の菅野智之投手(35)と小林誠司捕手(35)が25日、都内で行われた「2024プロ野球最優秀バッテリー賞」の表彰式に出席した。2人での受賞は17年以来7年ぶり2度目。同学年バッテリーはかつてからの変化を語りつつ、海外FA権を行使してメジャー挑戦を表明している菅野は、果たせなかった「日本一」を盟友に託す思いを示した。 バッテリーとしての2度目の栄誉に喜びをかみ締めつつ、菅野は果たせなかった栄冠を小林に託した。大学時代から面識を持つ同学年コンビは7年ぶりの2人でのバッテリー賞受賞。その上で海外FA権を行使してメジャー挑戦を表明している右腕は盟友へ向けて少々のイジりも交えつつ来季への思いを口にした。 「誠司はリーダーシップのある心強い同級生。たぶん、賞を取ることは無理だと思うんですけど…(笑い)。でも、チームを引っ張ってほしいですし、達成できなかった日本一を(果たしてほしい)。2人で築き上げたものを、少しでも伝えてほしい」 菅野は今季15勝3敗、防御率1・67で最多勝と最高勝率のタイトルを獲得し、リーグVに大きく貢献した。7月28日・DeNA戦(横浜)では3年ぶりの完封勝利を達成。これが2人の今季のベストゲームでもあった。小林は全24登板で先発マスクをかぶっており、これも7年ぶりだ。大学時代から面識を持つ中で菅野が「まさかもう一回、誠司とこうやって取れると思っていなかった。今年取ったどの賞よりもうれしい」と素直に喜び、声を弾ませた。 前回受賞時は28歳シーズンだった。円熟味が増した中で、当時との変化もあった。「若い時は配球もありましたけど、多少なりとも力で抑えることができたのはある。(小林に)投げながら昔もこんな感じだったなとか、6年間でこういう配球を覚えたのかなとか。懐かしい部分と新鮮な部分、いろんなことを感じながらこの1年間やっていました」と、菅野が今季の登板をかみ締めながら振り返った。小林も「力+技、もっと言えば頭を使いながら投球できたんじゃないかな」と返す。多くの意見交換をしながら、互いに進化してきた。2人で味わった多くの経験を小林が日本一へつなげるつもりだ。 菅野が「最後まで息の合った」と話したように、エンジ色のネクタイも重なるほどの名コンビは巨人で11年間共闘した。そして2人は別の道を進む。「他の投手とこの賞を取って、嫉妬心が生まれるように頑張りたい。自信を持って智之らしくマウンドで表現してほしいと思いますし、どこに行っても同じ気持ちで戦っていると思うので、思い切って頑張ってほしい」と小林からもエールを送られた右腕。離れていても、ともに戦う。(田中 哲) ◆2017年の菅野×小林 3月のWBCでは、菅野が登板した全3試合でバッテリーを組み、0勝0敗、防御率3.14。準決勝では米国相手に6回1失点と好投していた。シーズンでは25試合に登板し17勝5敗、防御率1.59。菅野は沢村賞、最多勝、最優秀防御率、ベストナイン、ゴールデン・グラブ賞を、小林はゴールデン・グラブ賞を受賞し、2人で最優秀バッテリー賞にも輝いた。
報知新聞社