30代で世帯年収600万円の夫婦は子ども2人を育てられますか? 子育て世帯の平均年収はどのくらいなのでしょうか?
子育てにはお金がかかるというイメージから「自分たちの収入で子どもを不自由なく育てられるだろうか」と、不安を抱いている夫婦は多いでしょう。子ども2人を育てるのには、どのくらいの年収が必要なのでしょうか。 本記事では、国や民間の調査結果をもとに子育て世帯の平均年収を紹介するとともに、子育てに必要な資金のやりくりのポイントをまとめました。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
子ども2人は平均的な人数
晩婚化や育児にともなう経済的負担の増大などを理由に、新たに生まれる子どもの数が減っているといわれています。しかし、「夫婦と子ども2人」という家庭はそれほど実現のハードルが高い希望なのでしょうか。 国立社会保障・人口問題研究所が令和3年に実施した「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、夫婦の平均予定子ども数は2.01人です。「子ども2人を育てる」という将来像は、多くの夫婦にとってイメージしやすい家族のかたちであることがうかがえます。 また、子どもを産み終えた夫婦における子どもの数でも2人が50.8%と過半数を占めており「子ども2人」はごく平均的な人数であるといえるでしょう。
子育て世帯の平均年収はどれくらい?
表題の方が心配するように、子どもを安心して育てるには十分な経済力が必要です。「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」でも、夫婦が理想の数の子どもを持たない理由として最も選択率が高かった選択肢は「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」だという結果が出ています。 それでは、一般的な子育て世帯の平均年収はどれくらいなのでしょうか。厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、児童のいる世帯の平均所得金額は約813万円です。同調査における全世帯の平均所得金額が約524万円であることを考えると、かなりの高水準だといえます。 この数字を見て「年収600万円程度では子どもを持つこと自体が高望みではないか」と不安になる家庭も多いでしょう。しかし、この数字には児童手当などの給付金など、稼働所得以外の所得も含んでいることや、子どもの数が3人以上の家庭も含まれていることに留意が必要です。 参考までに、民間の調査の結果も見てみましょう。株式会社小学館の育児メディア「HugKum」が実施した「令和の子育て世代のお金事情」に関する調査によると、回答した子育て世帯の52.5%が年収600万円未満、最も多い年収帯は500万円以上~600万円未満です。この結果を見ると、年収600万円は子育て世帯として低すぎることはなく、むしろ一般的な収入であると考えられるのではないでしょうか。