【独自解説】いざという時、日本の運命は“どちらが決める”?自衛隊とアメリカ軍が連携を強化したワケ 米・司令官が日本常駐でも“ハワイの上司”が…新システムで懸念される『指揮権』と『星の数』
■韓国の司令官は『4つ星』同士 ただ“ある取り決め”に韓国国内で反発の声が…
韓国には、日本と同じように『在韓米軍』という大きな組織がいます。ただ状況が違うのは、目の前に北朝鮮があって、休戦とはいえ朝鮮戦争が継続中だということです。そして、韓国軍のトップも、韓国にいるアメリカ軍のトップも、『4つ星』です。 『4つ星』同士にしてあるから、日本よりは同格で一人が全部決められるように見えますが、実はこの二つの軍には取り決めがあり、韓国国内では問題になっています。その取り決めとは、「もし有事になったら在韓アメリカ軍が指揮を執ります」、つまり「韓国の若者たちの命は、在韓アメリカ軍のトップが指示します」というものです。 日本と違って目の前に敵国がいるから…ということがありますが、こういう事情があって、実は韓国国内では「いい加減この権利を返してもらえ」と、「韓国だって自分で全部決められるじゃないか」という政治家も出てきています。
■「最後はアメリカのほうが日本を守れる」とハッキリ示された2024年・夏
日本は前から計画していたとはいえ、2024年の夏にバタバタとアメリカの偉い人が日本に来て会議が開かれた理由は、やはり『バイデン大統領の撤退』があったことです。アメリカの大統領が確実に変わり、バイデンさん以外になることが確定しました。
トランプ前大統領は以前から「日本の役割はわかるが全部払え」と言っていて、韓国に至っては「もう撤収してもいいぐらいだ」ということを、前回の政権では言い続けていました。今もそうかどうかはわかりませんが、「NATOもやめていい」「同盟国なんて関係ない」という考え方です。 ハリス副大統領は、まだわかりません。“バイデンさんと同じ民主党政権だから”“バイデンさんの後継だから”同じ考え、とは限らないわけです。 そうなると、国防長官も恐らく変わるでしょうし、実際の現場を預かる日米の防衛当局は、今のうちに“誰が上になっても変わらない仕組み”にしておかないと、「そんなの知らないよ」と言われたら同盟なんてあり得ない、ということになってしまいます。
実は、アメリカが持ってきた議題は、もう一つあります。「日本に何かあったらアメリカの“核の傘”で守ります」ということを、日米両政府でわざわざ確認しました。「確認しなくても、そういう約束なんじゃないの?」と我々は思うわけですが、「最後はアメリカの“スーパーパワー”のほうが、あなたたちを守れるんだから」ということも、今回ハッキリと示されたということです。 さあ、日本の“いざという時”に、我々の運命はどちらが決めるのでしょうか―。(「読売テレビ」特別解説委員・高岡達之) (「かんさい情報ネットten.」2024年7月29日放送)
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