【独自解説】いざという時、日本の運命は“どちらが決める”?自衛隊とアメリカ軍が連携を強化したワケ 米・司令官が日本常駐でも“ハワイの上司”が…新システムで懸念される『指揮権』と『星の数』
2024年7月28日、日米両政府によって開催された『安全保障協議委員会(2プラス2)』。いざという時、つまり“戦争に巻き込まれること”を意味しますが、「誰の判断で」「どういう戦い方をするのか」ということを、日米共に仕組みを新しく変えましょうという合意です。日本の今後の安全保障にとって極めて大切な話を、「読売テレビ」特別解説委員・高岡達之が解説します。 【動画で見る】東アジア緊迫 自衛隊と米軍連携強化へ 日本の安全保障はどうなる? 日本が統合作戦司令官を新設する理由 ポイントは「星の数」?
■『自衛隊』と『アメリカ軍』の違い 制服組トップは“調整役”、有事の時どうなる?
まず現状ですが、『自衛隊』と『アメリカ軍』は組織も大きさも違いますので、全く一緒にはなりません。日本の場合、『統合幕僚長』が“制服組”のトップで、陸上自衛隊出身の吉田圭秀さんという方です。アメリカの場合は、『統合参謀本部議長』が“制服組”トップと言われていて、日本の『統合幕僚長』とアメリカの『統合参謀本部議長』は対等です。 ただ、それぞれ“調整役”なので、内閣総理大臣に「こういう方法・方針があります」と、あるいはアメリカ大統領に対して助言はしますが、問題は実際の、いわゆる『武力』です。
部隊・戦車・イージス艦などを動かす権限は、日本の場合は『陸上幕僚長』『海上幕僚長』『航空幕僚長』という3人の方がそれぞれ持っていて、現状では『陸は陸』『空は空』『海は海』のことしかできません。
アメリカの場合は、少し変わっています。日本は、ハワイに司令部がある大変大きな部隊『インド太平洋軍』の監督下にあり、その中に『在日米軍』もあります。先ほど『統合参謀本部議長』は“調整役”と言いましたが、アメリカの戦争はちょっと変わっていて、大統領から直接戦う命令を受けるのは『インド太平洋軍司令官』、その地域を担当している司令官です。同時に、この司令官は「こういう戦い方をします」というのを大統領へ直に報告してもいい、という形になっています。
■日本『司令官を一人に』アメリカ『日本に司令官を常駐』 新しい仕組みで変わること
ですので、有事の時には仕組みも違うし、日本とアメリカには時差もあるので、新しい制度に変えましょうということです。新しい制度に変わると、日本は少しややこしいですが、『統合作戦司令部』を作ります。この意味は、『陸にも海にも空にも“このぐらい出してください”と言える、一人の司令官を決めましょう』ということです。有事の時は、“一人が決める”のが一番簡単ですから。
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