「優れた監督とは…」コンテはナポリをどう蘇らせたのか。稀代の修復士が愛されるわけ「選手を合わせるものではない」【コラム】
⚫️コンテにとって優れた監督とは?
「システムを変更した理由は、いくつか考慮すべき点があったためだ。移籍市場の最終日に、(スコット・)マクトミネイと(ビリー・)ギルモアが加入し、さらに(マイケル・)フォロリンショのレンタルからの復帰もあった。これにより、2人だけだった中盤から多くの選択肢が取れるようになった」 さらに、「優れた監督とは、選手の特性に合わせてシステムを適応させるものであり、システムに選手を合わせるものではない」と続ける。コンテが取り入れた新システムは、アンドレ=フランク・ザンボ・アンギサ、スタニスラフ・ロボツカ、マクトミネイという中心となる中盤3人と、ここ数年のナポリで定着していた3トップを活かすことができるものだ。 ナポリ史上初のスコットランド人選手となったマクトミネイは、セリエAトップクラスの運動量を誇り、ナポリOBのジャンフランコ・ゾラも目を見張る。 「彼をマンチェスター・ユナイテッドが手放したとは信じられない。正直なところ、私は少し驚いた。これほどの活躍を見せるとは思っていなかった」 ナポリの心臓、ロボツカはミラン戦までに3試合欠場したが、マクトミネイの同胞のギルモアがその穴を埋め、第10節、敵地でのミラン戦勝利にも貢献している。
⚫️ナポリは優勝候補なのか? カペッロの見解は
勝ち点25で首位を走るナポリは10試合を戦いクリーンシートは7試合で、5失点と最少失点を誇る。試合運びの面では、格下相手にも押し込まれる場面も目立ち、試合を支配しての勝利とはなっていないが、“勝負師”コンテが本領発揮している。 本人は「今季はあくまで来季のための戦い。サポーターはスクデットを夢見ることができるが、我々はスクデットからは遠い」と謙遜する。だが、イタリアサッカー界の重鎮ファビオ・カペッロはナポリを優勝候補に推す。 「打ち上げ花火のような派手さはないが、勝ち点を着実に重ね続けている。非常に多くの謙虚な戦いぶりを見た。この謙虚な戦い方はとても貴重な資質であり、最後まで勝ち進むチームの特徴だと確信している。ナポリがスクデットを勝ち取るかどうかはわからないが、争い続けることは間違いない」 今季、ナポリは欧州カップ戦の出場権を14年ぶりに逃しているが、過密日程を避けられることも優勝争いに優位に働きそうだ。3日に3位アタランタ戦、11日に2位インテル戦といったスクデット争いを演じることになろう2チームとの対戦を控える。 この2チームから勝利を手繰り寄せることができれば、コンテ自身も「スクデットを夢見る」と胸を張って明言することになるかもしれない。 (文・佐藤徳和)
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