関大のドラフト候補2人をオリックスが直前視察…「レギュラー取れる」野口遊撃手&「プロ4番に遜色ない飛距離」久保田捕手にセパ10球団が熱視線
関大のもう1人のドラフト候補が久保田拓真捕手だ。183センチ、98キロの堂々とした体格。センスあふれる野口を追い掛け、守備力、打撃力を磨き、ドラフト候補として注目を浴びるまでに成長。7球団から調査書が届いた。 ピンチをチャンスに変えた。ターニングポイントは昨年春、コロナ禍を逆手にとって肉体改造に成功したことだ。 「緊急事態宣言が出て、それはしょうがないと割り切って、その間に何か成長できるものはないかと自分に問い直したとき、食事面を改善し、筋トレで体作りに励んだところ、90キロいくかいかないかだった体重が90キロ台後半になりました」 おもしろいように打球が飛ぶようになった。 「最初はチームメートから”太ったやろ”と言われたんですが、すぐに”えらい、飛ぶな”と驚かれました。スイングが速くなり、軽く振っても打球が飛ぶ。自信を持って打席に入れるようになり、待ち球も絞れ、対応力も身に付いた」 一気に開花したのは今春のリーグ戦。満塁弾を含む3試合連続本塁打を放ち、二岡智宏(近大、現巨人2軍監督代行)や佐藤輝明らの記録に並んだ。 関西学生野球連盟の1シーズン最多打点17には、あと2打点足りなかったが、現在は変則の2回戦までのポイント制。もし、3回戦までありうる従来パターンの「勝ち点制」だったらリーグ記録が生まれていたかもしれない。 「打つ方の感覚はつかめた感じがします。しかし、キャッチャーは本格的に始めたのが高2からなのでまだ甘い。ブロッキングや送球の精度など全体的にレベルアップをしないといけません」 現在はチーム事情からときに三塁を守るときもあるが「サードをやってさらに感じたのはキャッチャーの方が勝利に直接的に関与できる。しんどい面もありますが、勝ったときの喜びは大きい」とも言う。 そんな久保田に早瀬監督は成長を感じ、目尻を下げた。 「コロナの間に、変な太り方ではなく、いい感じで体がデカくなり、打撃が見違えるように良くなった。フォロースルーが大きくなり、打球の質はプロでも上の部類ではないでしょうか。起用は球団の方針にもよるでしょうが、キャッチャーとしてもサードとしてもまだまだ伸びしろがある」とエールを送った。 打てる捕手は、プロ各球団が待ち望んでいる人材。 緊急最終視察をしたオリックスの谷口スカウトも絶賛した。 「バッティングが良くなりました。柔らかく、ヘッドがしなるし、逆方向に打てる。うちの杉本(裕太郎)のような感じで飛距離も遜色ない。サードやファーストもできるでしょう」 キャッチャーとしては「プロの1試合とアマの1試合では心身ともに疲れが違う。だから打てる捕手は少なくなっていますが、体力をつけ、経験を積めば」とポテンシャルの高さに期待した。