夏が極まる大暑のころ「ばてる前に食べておくべき」意外な料理とは?まさかこの時期に【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】
自然の中で生きている私たち
通勤の途中、セミの抜け殻を見つけました。スジアカクマゼミの抜け殻は蝉退(せんたい)という、熱を冷ます生薬になります。このように、自然の中にあるものの多くは生薬になります。私たちは自然とともに、自然の一員として生きているのですね。夏に自然が残した抜け殻が体を冷ますだなんて、よくできているなと感心します。 こうした調整は自分の内部でも起きます。私は中医学を学び始めてから、料理の味付けが変わりました。最初は朝のスープ粥も麵つゆや白だしで作っていましたが、そのうち白だしはいらないな、麵つゆも味が濃いなと使うのを止め、やがて塩だけにしたらどうだろうと変化しました。その塩の量もだんだん減って、いまではほんの少しです。野菜や玄米の味を楽しんでいると、味というのはそもそも素材の味だなと感動します。 中医学では“味”にも効能があると考えています。「朝ごはんをスープ粥にすること」から始めたのですが、続けていると確かに身体に変化が生まれて…いつのまにか味の感覚も変わってきていました。身体のむくみもだんだんと取れて、きつかったズボンがすんなり入るように!少しは自然に寄り添えたのかな…なんて思います。 さて、次回からは秋に入ります。
再春館製薬所 田野岡亮太