夏が極まる大暑のころ「ばてる前に食べておくべき」意外な料理とは?まさかこの時期に【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】
こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。 私は研究開発部に属し、さまざまな商品に携わってきました。その過程で、たとえば漢方原料が土地土地で少しずつ性質を変えること、四季のうちでも変わることを知り、やがて人間の心身そのものが気候風土に大きく影響を受けていることに深い興味を持つようになりました。中医学を学び、国際薬膳調理師の資格も獲得、いまもまた新たな活動を続けています。 1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。 【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】8月編下
秋が目の前!夏バテに気を付けて
とにかく暑い日々が続きます。昨日と今日、起きていることはそれほど変わらないのですが、よく考えてみると夏の入り口から今日まで、ずっと「暑い」が続いているので蓄積しています。夏至、小暑、大暑…日数にすると今年は47日間、ほぼ7週間です。自然界も身体も「暑い」を感じてきているんですね。 夏が始まる夏至の頃は、まだ身体が暑さに慣れていなくて、汗をかくことで体力・気力を汗と共に身体の外の放出してしまっていました。それを7週間にわたり行い続けてくると…身体からは気も減ってしまって、汗で津液(しんえき)も減ってしまいます。 津液は身体にある透明な液体とイメージしてください。形のあるものなので“陰”とも言われ、陰液が失われているとも表現します。そろそろ夏の終わりにさしかかると、暑い夏の間ずっと元気に活躍した“心”の機能にもそろそろ疲れが溜まってきています。心気が減り、陰液のバランスも崩れてしまい、夏の土用の頃には“気陰両虚(きいんりょうきょ)”という、気も陰液も減ってしまっている状態になりがちです。 その状態で秋の冷たい風が身体の中に入って来たら、身体からの不調の声をてきめんに聞くことになるでしょう。
気が減り続けているこの時期、気力体力を補う必要があります
夏の土用でもあり、大暑の後半でもあるこの期間です。約7週間にわたって汗とともに“気”を身体の外に放出してしまったので、まずは気力と体力を補いましょう。 代表的なおススメ食材としては、米、きび、玄米、しいたけ、ナツメ、山芋、牛肉、鶏肉、豚肉、たこ、えび、などが挙がります。 身体を構成する2つの液体(赤い色のついた液体・色のついていない透明の液体)のうち、汗として透明の液体を大量に身体の外に放出してしまったので、こちらも陰液を補ってあげましょう。 おススメの食材としては、黒米、おくら、きゅうり、梅、豚肉、卵などが挙がります。 夏の終わりに秋の準備としてオススメしたいのは、まず「簡単サムゲタン」。汗とともに身体から出て行ってしまった“気”を補うことを目的として、ナツメ、鶏肉、しいたけを使いたい…と思ったレシピです。 「気を補う時は、気をめぐらせる食材を一緒に摂ることがおススメ」と言われますので、ねぎも一緒に。味付けはにんにく、しょうが、塩だけでシンプルなのですが、お店で食べる味が家でできることに感動した1品です。 もう1品、たこときゅうりのナムルもおススメです。たこも気を補う食材で、きゅうりが汗として出て行った「透明の液体:津液(しんえき)」を身体の中で生み出してくれる食材です。おススメの組み合わせです。味付けは…塩、砂糖、ポン酢でさっぱりシンプルな味付けにしました。白ごまをかけると、身体の潤いに働きかけてくれるのでおススメです。 8月7日は立秋です。秋が始まります。秋の味覚がこれからたくさんスーパーに並び始めますので、夏の疲れは“食べて”少しでも減らしていきましょう。