「男だから仕事」への違和感 育休を経て男性たちがたどり着いた「滅私奉公しない」働き方
■「働き方はそれぞれ違う」という前提
子育てとキャリアを両立しやすい会社は増えてきている。千葉県に住む中村亮也さん(31)は、2年前、都内のIT企業に就職した。 4歳の長男が生まれたばかりのころ、中村さんはサービス業に就いていた。土日の仕事も多く、育児にほとんど関われない日が続いた。当時は「息子の寝ている顔しか見ることができなかった」という。 妻が体調を崩したことをきっかけに、子育てしやすい環境を求め、転職を決意。条件の合う職場を求め転職を繰り返し、いま働いているIT企業では、以前から憧れていた営業職に就くことができた。現在は、フルリモートで勤務している。フルタイムで働く妻と育児を分担することができている。 「転職を繰り返す中で、子育てに軸を置くと、収入などキャリアの部分で諦めざるを得ないところもありました。でも、今は求めてきたものが揃っている。子どもが寝た後に仕事をするなど工夫することで、子育てをしながら、自分のキャリアも積み重ねることができていると思います」 中村さんが勤める会社では、海外からリモートで勤務している社員もいる。会社の広報担当者は「家庭の環境や働き方はそれぞれ違うというスタンスが会社に根付いている」として、それぞれが働きやすい環境で、結果を出していると説明した。 「男性は仕事を優先させるべき」という価値観を捨て、働き方を変える男性たち。しかし、社会はまだ男性に「男らしさ」を求めている。子育てがしやすい働き方ができるよう、社会が応えていく必要があると感じた。
テレビ朝日