男子バレー・宮浦健人が語るパリオリンピックへの道 「もどかしかった」東京大会、海外リーグで得た自信
同シーズン途中から、日本代表の最年少アウトサイドヒッター、20歳の甲斐優斗が大学シーズン終了後にパリ・バレーに加入。それはフィリップ・ブラン監督の意向だったというが、宮浦は甲斐のプレーをこう見ていたという。 「ちょっとびっくりしましたけど、彼もすごくポテンシャルがあるので、早くから海外の高いブロックを体験できるのはいいことだと思います。実際にフランスに来てから、彼はすごく成長したと思います。僕が上から目線で言うことではないんですけどね(笑)」 パリ・バレーでは、パナソニックパンサーズ(現大阪ブルテオン)で川村慎二前監督のアシスタントコーチを務めていたモッタ パエス・マウリシオ氏の息子がセッターとして所属している。宮浦や甲斐について聞くと、「健人はとても落ち着きがあって、パワフルなオポジット。何よりもサーブがすごい。すごく回転がかかって曲がるんだよ。だから、彼がサーブの時はブレイクをとれることが多いね。セッターとしても、彼には安心して(トスを)上げられる。優斗はいつも笑顔だから、コートもハッピーになるよ」と答えてくれた。 宮浦はフランスでの自身の成長について、次のように手ごたえを語る。 「海外でプレーするようになって、視野が広がったというか、いろいろ成長ができたと思います。そして、常に高いブロックに対応してきたことは、代表でいいプレーをするためにも役立っていると思います」 【ネーションズリーグで見せた"らしくない"姿】 宮浦はパリで、初めてオリンピックの舞台に立つ。共に戦う西田はスタメンを争うライバルでもあるが、その西田が活躍した東京五輪に出場できなかったことに対しては「もどかしさはありました。ただ、それは自分の実力不足が原因。自分で努力して積み増ししていくものですから」と静かに答えた。 昨秋のワールドカップで五輪出場権を手にした男子日本代表にとって、今年度のVNLは本戦の12名を選出する選考の場であり、チームをブラッシュアップする場でもあった。5月に行なわれた始動会見ではVNLに参加する選手16名が出席。ブラン監督は「ここにいるメンバーでVNLを戦う。つまり、この中から五輪出場メンバーを選出するのが基本的な考えだ」と発表した。