Xに広がる“脱出論” 移住先として有力「Bluesky」「Misskey」「Threads」、いちユーザーから見た住み心地
真剣に考えたい使い分け
規約変更のみならず、Xは機能の変更が多く、ついていくのが大変だ。つい思想の対立をあおるような投稿を見てしまうと、おすすめ欄も似た投稿一色になってしまうようになり、前よりずいぶん気疲れする場所になった。誰が呼んだか“バトルSNS”ともやゆされる状態だ。無料ユーザーだと不快な広告も多い。しかしユーザー数は随一で、どうにも離れがたい。 個人的には、精神衛生が良い状態を保ちながらSNSを利用するには、使い分けが重要な時代になったと改めて感じる。実際に、筆者も主な情報収集はX、身近な友人とのコミュニケーションはBluesky、がやがやしていて楽しいからつい見に行ってしまうのがMisskey.ioと使い分けている。これにDiscordやショート動画アプリなども加わる形だ。 選び方は人それぞれだが、規約に同意できるサービス、開発方針に同意できるサービス、居心地のいいサービスを、自らの許容範囲と照らし合わせながら検討し、ユーザー層や機能に応じて使い分ける人も増えた。これまでも行われていたが、社会の分断とその激化が取り沙汰されるのに合わせ、その傾向も強まったように感じられる。 一方で、自分にとって居心地がいい場所に引きこもり続けるのも、それはそれで不健全だろう。外部からの情報収集と、発信したい対象、自分の生活などを勘案し、頭を使ってSNSを使う。SNSと生活が密接に結びついた昨今、エンドユーザーだからといって牧歌的にやっていくのは厳しいのでは──というのは、考えすぎだろうか。
ITmedia NEWS