Xに広がる“脱出論” 移住先として有力「Bluesky」「Misskey」「Threads」、いちユーザーから見た住み心地
Instagramと地続き? 「Threads」の居心地
ThreadsはMisskeyとは対照的に、ある程度年齢を重ねたネットユーザーの居場所、という感想だ。米Metaが立ち上げたXの対抗サービスで、同社のSNSなどから誘導がかかっていたこともあって、FacebookやInstagramの住人がそのまま住んでいる印象が強い。 そのためか、流れてくる話題も健康維持や仕事論、旅行、育児、ニュースへのコメント、ライフハックなど、日常会話の延長上にあるものが多い。Facebook・Instagramから受け継いだのか、若い女性の写真を使ったスパムと思しき投稿もそれなりに多い。 オタクで若者(ギリギリZ世代)の筆者からすると、こういう年齢層や属性の人はこんな考え方や投稿をするんだなあ、と思うが、Misskeyに比べるとやや居づらい。日常的な出来事に関する意見交換の場としてはよさそうだが、明らかに自分と属性の違う人が住んでいる場所なので、コミュニケーションをするにしてもとっつきにくさがある。逆に、普段の居場所がInstagramな人には住みよいのかもしれない。 ちなみに、Misskeyに比べると企業や組織の公式アカウントは多めだ。ただ、よく知らない飲食店のアカウントや、サービス開始の盛り上がったときに、IDを取るだけ取っておいて放置しているんだろう、というアカウントも散見される。 参考記事: 「Meta AI」のMAUは5億人、「Threads」は2億7500万人──ザッカーバーグCEO Threadsでのエンゲージメント稼ぎ投稿増加に「制御に取り組み中」と中の人 MetaのThreadsにビジネス向け3つの新機能 100件までの下書きなど
“すみ分けやすいX”な「Bluesky」
Blueskyはこれまでに紹介した2サービスの中間という印象だ。ビジネス発信から趣味の投稿、日常会話まで、話題は幅広い。平和なものから論争の火種になりそうなコミュニケーションまで種々だ。 使用感がXに近いからか、ユーザー層もXに一番近く感じる。ただしトレンド機能やおすすめ機能はなく、代わりに「フィード」という機能が存在する。これはタイムラインを好みにカスタマイズしたり、他の人が作ったフィードを導入できる機能で、例えば「柴犬を飼っている人」「ゲームの話をする人」だけのタイムラインを手軽に構築できる。 恐らくはこのフィードを使って、自分だけの快適なタイムラインを構築しよう! というのがBlueskyの基本的な利用法だろう。他SNSからの流入も多いようで、人もある程度増えてきた感じがするが、故に過激な意見な人も多少出てきた体感もある。 それでもフィードによるすみ分けがしやすいので、少なくとも筆者の画面上ではXほど殺伐とした場所にはなっていない。企業の公式アカウントもちらほら見られ、他SNSに比べるとメディアのアカウントが多い。 総じて「みんなではやりの話題にのってわいわいはできないが、自分の好きな話題にだけ目を通して、好きなように情報を受発信できるX」という感じだ。個人的には、他のSNSほど不特定多数への情報発信には向かないが、“見る専”と割り切るか、仲間内でコミュニケーションしたり、同好の志で集まったりといった用途ならば使いやすいと感じる。 参考記事: Xに不満を持った人の避難先? 「Bluesky」を初めて使ったおっさんマンガ家の心変わり Xのブロック機能や規約の変更後、Blueskyに50万人の新規ユーザー Bluesky、動画投稿が可能に 最長60秒、1日に25本まで