<ラグビー>トップリーグ覇者 パナソニックのBK山田章仁の葛藤と進化
■両手でボールを持つ より確実なプレーを目指す しかし、“2013年度版の山田”は、「コンタクトから、逃げない。ボールをきちんと味方に繋ぐ」ことをテーマとした。かつては、どれだけ敵に囲まれても、片腕でボールを抱え、反対側の腕で、相手との距離を取ってスペースを探していた。しかし、今シーズン以降は、ボールを両手で持って、密集へ突っ込むようになる。 「いいか、悪いか、はわからないですけど、そういう(両手でボールを持つ)癖はついたかもしれないですね」。 前年度と同じく、ボールタッチ数を増やすべく、持ち場とは違う場面にも積極的に顔を出した。「軽いプレーは絶対にできない。いままでも軽いプレーをしていたつもりは、ないですけど、より確実なプレーをしないといけない」。 ■ある種の喪失感「まぁ、寂しいかな」 そして11月15日、ウェールズはコルウィンベイで、ロシア代表とのテストマッチに後半28分からの途中出場。やっと、初キャップを掴んだのである。「寂しい。キャップを取るために、頑張っていた日が懐かしいというか。これからも頑張るんですけど、まぁ、寂しいかな」 代表遠征から帰国後は、日本代表チームのシーズンが終わったことへの、ある種の喪失感に、さいなまれつつも、リーグ戦(トップリーグ)では、チームで2番目に多い120回ものコンタクト数(ボールを持って相手とぶつかる回数)を記録した。コンタクトプレーの多いフォワードならともかく、グラウンドの一番外側に位置するウイングにあっては、異例のことだった。果敢に身体をぶつける姿勢は、2トライを決めたプレーオフファイナルでも、確かに示されていた。 ■目指すはインターナショナルプレーヤー 現在の山田は、「インターナショナルプレーヤー」を目指している。そのために「ボス」であるジョーンズHCの意見を汲み取り、泥臭さを身に付け、現代表でのレギュラー定着を狙っている。