たった2本で人気魚種攻略を目指す!? 聞けば納得するラインナップの秘密
エクリプスが初心者~中級者に向けたシーバスロッドとして新たに展開している「アクシアトラック シーバス」。驚くべきことに、そのラインナップは2種類と極端に少ない。しかしそこには理にかなった明確なコンセプトが隠されていた。エクリプスのプロスタッフ・前田泰久さんにその秘密をきいてみよう。 【画像】アクシアトラック シーバスモデルのスペックと価格
現代のフィールドにマッチした汎用性抜群の珠玉のショアモデル
前田「このモデルは初心者・中級者が快適に釣りを楽しめる場所で、快適に使えることをコンセプトにしているので、これまでのエクリプスがリリースしてきたシーバスロッドとは多少毛色が違います」 前田「そして8ft8in、9ft9inという長さにもそのコンセプトが反映されていて、まずは『ATSS-88ML』というロッド。こちらは東京湾の湾奥など、足場が良い港湾部や運河でのオカッパリを想定しています。特に橋脚や壁際など、ストラクチャーが絡むスポットを正確に撃ってルアーを通せることを念頭に置いているので、長すぎずに小技を効かせられる8ft8inという長さを選択しました。都心港湾部の水辺には釣り人以外の方も数多くいらっしゃるので、周囲に迷惑を掛けずに振りかぶれる長さも意識しています。また、ウェーディング時に腰辺りまで浸かっても取り回しやすいように、グリップは若干短めになっています」 確かに初心者・中級者だと長すぎるシーバスロッドでは、実際のところ少々持て余しそうな気がしないでもない。そういった意味では8ft8inという長さは“ちょうど良い”のかもしれない。 その一方で、9ft9inの『ATSS-99MML』は長すぎるような気がする…。それでも敢えてラインナップに加えたということは、それなりの理由があるのだろう…か? 前田「大型河川やサーフなどのオープンエリアでの遠投を想定したモデル…という意味もありますが、僕がメインフィールドにしている東京湾のような都市部のフィールドでは、そういったフィールドは少ないのが正直なところです。ただ、足場が高かったり、手前に消波ブロックやゴロタ石が敷き詰められているスポットというのは多数存在し、8ft8inでは足元までしっかりとルアーを引いて来れない、またはルアーのピックアップ時に消波ブロックやゴロタ石に引っ掛けてしまうというトラブルが発生しやすい。 そこでもう1ftほど長くして、前述のようなスポットにも対応できるようにしています。また、長くするに伴いパワーも強めに設定されているので、160mmクラスまでのビッグペンシルベイトもキャスト可能です。岸寄りでコノシロなどのビッグベイトパターンに遭遇できれば、チャレンジすることもできますよ」 以上の2本というシンプルなシリーズだが、ラインナップも細分化が進みつつあるシーバスロッドが多い昨今、この2本だけでゲームは成立するのだろうか? 前田「いずれのモデルも汎用性を高めに設定してあるので、ATSS-88MLならば90mmクラスのミノーから軽めのバイブレーション、ジグヘッドリグまで『何とか1尾釣りたい!』というフィネスゲームにも対応します。ATSS-99MMLは先述のようにビッグベイトも使えるので、初心者が最初の1尾にチャレンジする、中級者が基本を抑えつつ釣りの幅を広げるには十分なスペックです。価格もスペックの割にはリーズナブルな設定になっていますので、ぜひとも試してみてください」
前田泰久(まえだ・やすひさ)
エクリプスのプロスタッフ。シーバスガイドも行っており、東京湾をメインフィールドにオカッパリからウェーディング、ボートシーバスまで、あらゆるスタイルに対応してくれる。現在ガイド業も行っているので気になる方は下記リンクもチェックだ。