日銀・黒田総裁会見9月17日(全文3完)途中で辞めるつもりはない
財政健全化の先送り容認との見方もあるが
ロイター通信:ロイター通信の和田と申します。財政健全化についてお伺いします。コロナ禍の対応ということで、日銀はイールドカーブ・コントロールに当たっての国債の購入上限を撤廃しました。きのう菅新政権の発足に伴って再任された麻生財務相は会見で、今の低金利を活用して財政や財政投融資をしっかりして、成長をまずやっていきたいと、成長を取り戻していきたいというお話をされました。 コロナ禍の対応としては理解できるんですけども、いわゆる国債の購入上限の撤廃が長期化しますと、財政健全化にとっては、日銀が暗に財政健全化の先送りを容認しているんじゃないかという見方も出てくるかと思います。この点について黒田総裁のお考えをお聞かせください。 黒田:この点はいつも申し上げていますけれども、もう財政運営そのものは政府、国会の責任において行われるものというふうに認識をしております。他方、日本銀行による国債の買い入れというものは、金融政策運営上の必要に基づいて実施しているわけであります。足元では感染症の影響も踏まえて、債券市場の安定を維持してイールドカーブ全体を定位で安定させるというために、また、そのことを通じて経済を下支えして物価の安定という日本銀行の使命を果たすために行っているわけでありまして、何か政府の財政ファイナンスをしようという話でもありませんし、あくまでも日本銀行として、物価の安定という使命を果たすために必要な限りにおいて行っているということであります。 A:ほかにご質問がないようですので、別室からは以上とさせていただきます。 司会:それでは幹事社さん、お願いいたします。 毎日新聞:ほかに質問ございませんでしょうか。それではこれで記者会見を終了します。ありがとうございました。 黒田:どうも。 (完)【書き起こし】日銀・黒田総裁会見9月17日