日銀・黒田総裁会見9月17日(全文3完)途中で辞めるつもりはない
超長期の金利水準をどう見ているのか
日経QUICKニュース:日経QUICKニュースの川上と申します。国債のイールドカーブについてなんですけれども、4月あるいは6月の会合後の会見では、超長期の金利についてはイールドカーブがあまり寝てしまうのは好ましくないというような趣旨の発言をされておりました。足元のイールドカーブを見ているとやや寝てきているようにも見えるんですけれども、今の超長期の金利水準をどういうふうに見ていらっしゃるのか、ご認識をお願いしたいと思います。 黒田:この点は、2016年だったと思いますけども、総括的検証のときの考え方と基本的に変わっておりません。ただ、やはりその時々の経済・物価、さらには金融情勢に応じて適切なイールドカーブが形成されるように、国債等も資産買い入れを行っているわけでありまして、現状、適切なイールドカーブになっているというふうに考えております。
今の株価は異常ではないか
朝日新聞:朝日新聞の原です。先ほど総裁が、株式市場で日銀の政策がバブル相場をつくっているのではないかという質問に対して、そうは思わないと、特に異常な株高になっているとは思わないというお話がありましたが、このご説明は非常に違和感があります。今、リーマン・ショックを上回る経済の打撃を受けて、年率で言うと二十数%のマイナス成長になっているわけですよね。にもかかわらず日経平均株価はここ10年でいっても相当高い水準にある。これは明らかに異常な株価の状態ではないかと思うんですが、そのご認識でよろしいのかどうかということと、日銀のETF買いなんですけれども、これ、現実的には今、株式市場で最近もよくあるんですが、下落しても日経が最終的にはETFを買い支えてくれるので、という理由で反発するケースがたびたび見られます。これっていうのは株価下落を防ぐ、株式市場を安定させる効果がある意味あるというふうにも見えるわけですけれども、これは日銀の金融政策にとって成功なんでしょうか、それとも副作用なんでしょうか。 黒田:まず第1点につきましては、株価っていうのはあくまでも足元から将来にかけての企業収益というものを基本的に反映して決まってくるということだと思います。世界経済についてのIMFの見通しにしても、わが国経済についての日本政府や、あるいは日本銀行の見通しについても、足元、持ち直して今後、緩やかではあるけども回復していくという見通しでありまして、そういったものを踏まえて株価形成がなされていると思います。この点は別に日本だけ何か異常っていうわけではなくて、欧米でも、それから多くの新興国でも同様であります。 それから、このETFはあくまでも特定の株価を目指したものではなく、株式市場におけるリスクプレミアムが異常に拡大したりするのを防ぐということから行っているわけで、結果的にご指摘のような株価の変動を小さくしているという効果があるかもしれませんが、何か特定の株価に持っていこうとか、あるいはそのためにやっているっていうことはまったくございません。 そろそろ。じゃあ。