サッカー・U-23日本代表は〝史上最も過酷なアジアの戦い〟を勝ち抜けるか!?
■今大会メンバーから未来のスターを探せ こう見ていくと、五輪出場へ不安要素ばかり、とも言える今大会だが、「だからこそ、これ以上ない面白い大会になる」と川端氏は話を続ける。 「本当に厳しい戦いですが、逆に言うと、負けたら終わりの緊張感の中で戦える環境は、近年のフル代表のW杯予選では味わえないシビアな要素であり、サッカーの醍醐味です。 その環境で戦うことで、若い選手たちは自信をつけてどんどん伸びていく。だからこそ、五輪出場がかかる準決勝や3位決定戦だけ見ればいい、という考えはもったいない。ぜひ初戦から追いかけてほしいです」(川端氏) 実際、過去にも五輪予選や五輪本大会での失敗や経験を糧に、さらなる成長につなげた選手がいる。リオ五輪主将だった遠藤 航(リバプール)が代表例だろう。 「あのときの代表には南野拓実もおり、『未来のリバプールの選手』がふたりもいたことになる。特に遠藤に関しては、『将来、リバプールでレギュラーになる』とは当時、誰も想像していなかったはず。今回の代表にも、未来のマンチェスター・シティの選手がいるかもしれません」(川端氏) レオザ氏も、「若手選手たちのポテンシャルの高さを信じてほしい」と語る。 「監督のチームづくりが稚拙なチームでも、選手の力の総合値が〝相手選手の総合値×チームづくり〟を上回れば勝てます。つまり、選手の力だけで勝てるくらい日本が相手国を上回れば、五輪に出られる力があるということ。 皮肉ではなく、これが日本の現実なので、代表コーチ陣を生暖かく見守りながら、選手たちのことは熱く応援したいです」 パリ五輪出場に向け、絶対に負けられない熱い戦いがいよいよ幕を開ける。 取材・文/オグマナオト 写真/時事通信社