サッカー・U-23日本代表は〝史上最も過酷なアジアの戦い〟を勝ち抜けるか!?
■鹿島時代からアップデートされた大岩監督の考え方 2年4ヵ月にわたって指揮を執ってきた大岩監督の評価はどうなのか? そもそも、レオザ氏が〝ピッチ上の監督〟の役目を重視するのは、大岩監督の物足りなさに起因している。 「鹿島の監督時代(2017~19年)から戦局が読めず、ディテールが詰められない。ある試合では、明らかに前線にボールが運べていないのに、手元の戦術ボードで前線の動きを必死に検証していて驚いたことがあります」 代表選手発表の会見で「ラッキーボーイが出てきてほしい」と発言したことも、「いかがなものか」と提言する。 「ラッキーボーイという考え方自体が大岩さんを表しています。監督とは本来、とことん準備を重ね、約束事をしっかりつくった上で、最後にほんの少し期待するのが〝運〟のはず。なのに、大岩さんのサッカーを分析すると再現性が低く、必要な細部を詰めず、ラッキー待ちに見えます。 日本は優秀な選手が多いのでなんとかなるときはありますが、そのなんとかする幸運(ラッキー)に頼ってしまっていることが代表コーチ陣の過失です」 先月敗れたU-23マリ代表との親善試合(●1-3)でも、その「約束事のなさ」が表れていたという。 「マリはロングボールを使ったり、フィジカルバトルが多くなる戦い方を選ぶこともありました。その際、本来であればボールの出どころをどう抑えるか、ディフェンスラインだけで対応できないなら中盤でどう挟み込むかが問われるのに、そういう動きはまったくなかった。 後ろからボールをつなぐときも、自分たちの配置が悪いのに、技術だけに頼るからボールを奪われやすい。守備の型も攻撃の型もつくっていない証拠です」(レオザ氏) では、マリに敗れた直後に勝利したU-23ウクライナ戦(○2-0)、昨年のU-22アルゼンチン戦(○5-2)は何が良かったのか? 「相手が〝夢を追ったサッカー〟をしてくれると、日本にもチャンスが生まれます。カタールW杯もドイツやスペインがそうでした。アジアが相手だと日本が格上になるため、マリのように日本が嫌がるサッカーをする国が出てくる可能性はあります」(レオザ氏) 一方、川端氏は大岩監督の「鹿島時代からのアップデート」について言及する。 「大岩監督自身が『鹿島時代と今では、指導者としての考え方が違う』と言っていました。大岩監督が〝5人のゲームチェンジャー〟とよく表現するように、ここ数年、交代枠が5人になるなど、サッカーが変化しています。 『昔の自分は交代をちょっと我慢するタイプだったけど、今はゲームチェンジャーをどう使うか、最初からゲームプランを持っている』と言っています。その言葉を信じたいですね」