「一風堂」「町田商店」「山岡家」ラーメン銘柄、御三家は株価も業績も一人勝ち状態 頭一つ抜けているのは?
めっきり寒くなってきて、外出先でも温かいものを食べたくなります。まっさきに思いつくのは、ラーメンですが、相変わらずインバウンド客で混み合っており、なかなかありつくことができません。これからさらに繁忙期に入るとなると、人気のラーメンにありつくためには、長時間、行列に並ぶ覚悟が必要です。 【画像】ラーメン御三家の株価 そうなると、ふたたびラーメン銘柄の動向が気になってきます。この連載では、ラーメン御三家として力の源HD(3561)、ギフトHD(9279)、丸千代山岡家(3399)を過去2回、2023年8月と12月に取り上げています。そこからほぼ1年たちましたので、3社のその後をチェックしてみましょう。 株価が大躍進したラーメン株、御三家に伸び代はまだあるのか?(2023年8月掲載) 秋まで株価が大躍進のラーメン株、御三家の順位に変動。業績は好調なのに株価が下げ止まらない原因とは?(2023年12月掲載)
1年前に伸びしろがあると判断した「丸千代山岡家」の株価は?
まず、前回8月時点で紹介した株価比較チャートはこちら。 丸千代山岡家が1年間で280%の騰落率と高く、力の源は失速気味、ギフトHDはやや持ち直しつつあるといった感じです。株価の割安さを表すPERは、この時点で丸千代山岡家は16.7倍、力の源は19.3倍、ギフトHDは26.1倍。いちばん株価が上昇している丸千代山岡家がもっとも割安だったため、ここからさらに伸びしろがあるのは丸千代山岡家ではないかと述べています。 1年後の現在の株価比較チャートはこちら。 見事、予想が当たりました! これはわたしの勘が当たったわけではなく、株を買うときにPERが有効な指標となることが証明されたといえます。 それにしても丸千代山岡家のひとり勝ちとも言えるこの状況。ここまで差がついているとは、街角ウォッチだけでは感じることはできません。実際、業績にもなにか変化があるのでしょうか?
業績も一人勝ち状態
直近の決算を見てみましょう。 まずいちばん低迷している力の源HDから。 11月13日に発表された2025年3月期第2四半期決算は、①売上高は16611(百万円)、②前年比11.6%、③営業利益1247(百万円)、④前年比-7.7%と前年比で減益となっています。通期は、前年比で8.2%のプラス予想ですが、達成できるかどうか懸念されます。 足を引っ張っているのは、海外店舗で、前年比で36.4%減となっています。当社は、海外店舗数144店舗と、まあまあのボリュームがあります。インフレによる原材料価格の高騰、賃金・家賃のコスト上昇に価格転嫁が追いつけてないとのこと。 次に前回のチェックポイントから、ほとんど株価が変わっていないギフトHDを見てみます。 9月13日に発表された2024年10月期第3四半期決算は、①売上高は20592(百万円)、②前年比23.8%、③営業利益2065(百万円)、④前年比29.2%とこちらは売り上げ利益とも二桁の伸びです。ただし、前期の5-7月期と、今期の5-7月期を比べると、売り上げは+19.3%ですが、営業利益は-9.9%と減益になっています。 最後に株価の騰落率では一人勝ちとなっている丸千代山岡を確認しましょう。 9月13日に発表された2025年11月期第2四半期決算は、①売上高は15633(百万円)、②前年比34.6%、③営業利益1529(百万円)、④前年比221%と、3社の中では抜群の成長率。同時に営業利益の通期予想を2279(百万円)から3050(百万円)と大幅上方修正したことも、株価上昇の追い風になったのでしょう。 このように業績の伸びにもグラデーションがついており、ラーメン屋さんだったらどこでもいいという感じではなくなっているようです。 その証拠が各社の月次売上に現れています。 まず株価がもっとも低迷している力の源は、8-9月の既存店の客数が、すべて前年割れ。明らかに、前年と比べて客離れが起きています。 ギフトHDは、8、9月は前年に対してなんとか微増でしたが、10月は97.6%と前年割れです。 ところが、勝者、丸千代山岡家においては、3ヶ月とも前年より増えています。当社は7月に値上げしているにもかかわらず、引き続きお客さんに愛されていることになります。