補強ド下手くそ!? マンチェスター・ユナイテッド歴代大損移籍6選。高額で取って安値で売却
獲得額は90億、売却額は15億…。苦しんだMF
MF:フレッジ(元ブラジル代表) 生年月日:1993年3月5日 獲得額:5900万ユーロ(約94.4億円) 放出額:970万ユーロ(約15.5億円) 差額:78.9億円 マンチェスター・ユナイテッドで通算213試合に出場したフレッジは主力として活躍した期間も長かったが、5900万ユーロ(約94.4億円)の移籍金を上回るインパクトを残せたとは言い難いだろう。 マンチェスター・ユナイテッドに加入する前シーズンにフレッジは所属するシャフタール・ドネツクで印象的な活躍を披露していた。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)では、死闘となったローマとのラウンド16で鮮やかな直接FKからゴールを決めるなど、攻守に万能なボックス・トゥ・ボックスとして評価を高めていた。 ところがマンチェスター・ユナイテッドでは壁にぶつかり、苦手なビルドアップで悪目立ちしてしまうケースも多かった。パスが全体的に弱く、相手にカットされることや、パスレンジの狭さから展開力にも欠けた。ビルドアップが得意な選手を相方に置くダブルボランチで起用すれば、彼が得意とするハードワークを活かすことができたかもしれないが、当時のマンチェスター・ユナイテッドにはそのキャラクターがいなかったのが苦戦の大きな要因だろう。 その結果、2018年8月に5000万ユーロ(約80億円)あった市場価値はあっという間に大暴落し、2020年4月には1750万ユーロ(約28億円)にまで下がっていた。市場価値が下がれば必然的に移籍金も下がり、2023年にフェネルバフチェへと移籍した際の金額は獲得時のおよそ6分の1となる970万ユーロ(約15.5億円)だった。
62億円で獲得→8000万円で放出!? 大赤字を招いたのは?
MF:ドニー・ファン・デ・ベーク(元オランダ代表) 生年月日:1997年4月18日 獲得額:3900万ユーロ(約62.4億円) 放出額:50万ユーロ(約8000万円) マンチェスター・ユナイテッドにおける近年最悪の「大損移籍」はドニー・ファン・デ・ベークだろう。2020年夏に3900万ユーロ(約62.4億円)の移籍金で獲得したオランダ人MFを、4年後にわずか50万ユーロ(約8000万円)の移籍金でジローナに放出した。 ファン・デ・ベークの名が一躍有名になったのはアヤックス時代の2018/19シーズンだろう。現マンチェスター・ユナイテッド監督のエリック・テン・ハフの下でチームはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ベスト4へと躍進し、その中でファン・デ・ベークは中心選手として得点やチャンス演出に関わっていた。 ところがマンチェスター・ユナイテッドでは、彼が本職とするトップ下に怪我をしないブルーノ・フェルナンデスというワールドクラスの選手がいたことでチャンスを与えられる機会も少なかった。通算62試合で2得点2アシストと、本来は攻撃参加が持ち味の選手にも関わらずあまり数字を残せなかった。 それはアヤックス時代の恩師であるテン・ハグがマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任して以降も変わらなかった。2シーズンで12試合にしか起用されず、2度のローン移籍も経験した。しかし、ローン先でも目立った結果を残すことができずに今夏の放出となった。 なお、現状ジローナへ放出した際の移籍金は先述した通り50万ユーロ(約8000万円)と伝えられているが、これはあくまでも初期費用だそうで、移籍に精通しているファブリツィオ・ロマーノ氏によると、設定されたあらゆるアドオンの条件を完全に満たせば最大で1500万ユーロ(約24億円)にまで上がるそうだ。マンチェスター・ユナイテッドがファン・デ・ベークで多くの移籍金を回収するためにはジローナでの活躍が必須という状況にある。