国内株価の乱高下にみるファンドのパフォーマンス、株価下落に抵抗した高配当利回り株ファンド
最高値からの下落率では、「ひふみプラス」が24.24%、「フィデリティ・日本成長株・ファンド」は25.39%で日経平均株価よりも下落率がわずかに小さかった。「三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジー」は26.96%で日経平均株価よりも下落率がやや大きくなった。
そして、8月15日現在、日経平均株価は9278の水準に回復している。最安値からの上昇率は16.75%だ。これに対し、「日本好配当リバランスオープン2」は9525で日経平均株価を上回っている。安値からの上昇率は13.90%で日経平均株価に及ばないが、下落率を抑制した効果が最終的な収益で日経平均株価を上回った。次に、「日経平均高配当利回り株ファンド」で9176だった。安値からの上昇率は13.51%と5つのファンドの中で最も小さかったが、下落率が少なかったために、最終的な収益で他の3つのファンドを上回った。
「三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジー」は安値からの上昇率が18.56%と5つのファンドの中で最も高く、日経平均株価の上昇率を超えているものの、下落時の落ち込みが大きかったために、最終的に9135で日経平均株価に及ばなかった。次に「フィデリティ・日本成長株・ファンド」は安値からの上昇率は17.16%と日経平均株価を上回ったものの、最終的には9118と日経平均株価に及ばなかった。「ひふみプラス」は9043で5ファンドの中で最も低い成績になった。安値からの上昇率は15.72%で日経平均株価に劣後した。
これらの結果をみると、「日本好配当リバランスオープン2」や「日経平均高配当利回り株ファンド」など、配当利回りに着目したファンドのパフォーマンスが相対的に良いことがわかる。これらのファンドに資金流入が活発なのは、今年2月に34年ぶりに日経平均株価が史上最高値を更新し、その後も高値を更新する中で、日本株の一部に割高感があると言われ、高配当利回りなど割安株に安心感があるという理屈からだった。実際の値動きを追ってみても、株価が大きく下落する局面にあって、配当利回りの高い銘柄群は下落率が抑えられることで、日経平均株価よりも良い成績を残していた。