国内株価の乱高下にみるファンドのパフォーマンス、株価下落に抵抗した高配当利回り株ファンド
株価の乱高下が続いている。特に、7月から8月にかけて日本株の動きが激しくなっている。日経平均株価は7月11日に史上最高値の4万2224円を記録したものの、8月5日には史上最大の下落幅4451円安となり、翌6日には史上最高の上場幅3217円高を記録するなど、アップダウンの激しい値動きになっている。この激しい変動期に、個々のファンドの基準価額がどのような動きになっていたのかを調べてみた。一つには、純資産総額が大きな国内株ファンド、そして、国内株ファンドで資金流入額が大きなファンドをピックアップした。
ピックアップしたのは、純資産総額が大きな国内株ファンドとして「ひふみプラス」と「フィデリティ・日本成長株・ファンド」の2本。そして、直近で資金流入額が大きなファンドとして「三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジー」、「日経平均高配当利回り株ファンド」、「日本好配当リバランスオープン2」の合計5ファンドを調べた。
6月末時点を10000とすると、7月11日に株価が史上最高値になった時は、日経平均株価は10667だった。比較した5ファンドで最高は「三井住友DS・ジャパン・ハイ・コンビクション・ストラテジー」の10549、最低は「日本好配当リバランスオープン2」の10227だった。調べた5ファンドでは、上昇時にインデックスである日経平均株価を上回る上昇率になったファンドはなかった。個別のファンドの基準価額は信託報酬等を控除後の価格であるため、株価指数そのものよりも手数料の負担がある分、成績が劣後してしまうという側面はある。
一方、株価が最も値下がりした8月5日には、日経平均株価は7947になった。6月末比で20.53%安になった。最高値からの下落率は25.50%だ。この時点で、もっとも基準価額の水準が高かったのは、「日本好配当リバランスオープン2」の8363、そして、「日経平均高配当利回り株ファンド」の8084だ。この2ファンドは、株価下落時に日経平均株価よりも基準価額の水準が上にあった。また、最高値からの下落率は「日本好配当リバランスオープン2」は18.23%、「日経平均高配当利回り株ファンド」は21.21%と日経平均の下落率25.50%より軽微な下落率になっている。