「辞める以外に選択肢が…」メンタルヘルスの危機で仕事を諦めるZ世代が増加。英国での経済損失は「22兆超」
若い世代の間では目に見えて事態が悪化しています それはまさに、19歳のヴィンセントが経験していることです。10歳で自閉症と診断され、ノンバイナリーでthey/themを代名詞として使うヴィンセントは、摂食障害やうつ病とも闘っています。「成績がよかったので、先生たちもそのことに関心をはらっていなかったように思います」と『コスモポリタン イギリス版』に語ったヴィンセント。しかし、シックス・フォーム(義務教育終了後の2年間の準備課程)の模擬試験の最中に不安が急激に高まり、ヴィンセントがオーバードーズをしたことで、最悪の事態を迎えます。「学校に行く前に毎朝パニック発作が起こるようになりました」「GCSE[義務教育段階の修了試験]からAレベル試験[シックス・フォームの2年目に受ける試験]の間の飛躍についていくのが大変で。何週間も学校を休み、かなりの授業を聞き逃してしまいました。」 学校を辞めざるを得なくなり、ヴィンセントは1年間休んでメンタルヘルスを立て直すことにしますが、効果はありませんでした。今は国が実施する個人自立手当(長期にわたって健康上の問題を抱える人々に最高で週に101.75ポンド=約19,000円支給する制度)を受けとり、支援施設に暮らしていますが、自分が望むような仕事に就ける希望はほとんどないと言います。「GCSEは持っていますが、レベル3[Aレベル相当の職業資格]を得られる現実的な望みは持っていません」「19歳なのでもうシックス・フォームには戻れません。ぜひ中断したところに戻りたいけど、自分は失敗してしまったし、もう1度挑戦することは不可能なんだという気がしています。」 以前はエコノミック・アドバイザーになることを夢見ていたヴィンセントは、雇用者が自分の病気に合わせて適切な調整をする柔軟さを持っているかどうかについても心配しています。「今でも、雇用者は従業員が休むのは怠惰だと思っている気がします」「他に休まない従業員を雇えるなら、どうして自分のような人間を雇うでしょうか? 常に自分を証明する必要を感じて、長い目で見ればバーンアウトするでしょう。悪循環だと思います。」