千葉・木更津にある複合施設「KURKKU FIELDS」で人と自然が共存する、サステナブルな体験を!
いっぽうで「土の循環」には、愉快な仲間たちが活躍。 ダイニングなどの外に設置したこの木箱は「ミミズコンポスト」。箱の中をのぞけば、落ち葉などに混じるのは、野菜の端っこなどの生ゴミ。「この中をミミズが動き回ることでフカフカになり、微生物が生ゴミを分解しやすくなるのです。数カ月後には、養分豊富な堆肥になるんですよ」とにこやかに話す吉田さん。「KURKKU FIELDS」では生ゴミだって貴重な資源になるのだ。
「堆肥といえば、これ何だと思います?」と吉田さんが案内してくれたのは、土のようなものが山積みになった建屋。 なんと、これらはすべて牛や鶏などのフンを発酵させた堆肥! 木のチップなどを混ぜ、空気を含ませながら放置すると80℃ぐらいまで熱くなる。この熱気こそしっかり発酵が進んでいる証拠!
「場内で飼育している牛は40頭、鶏は1,000羽います。ミルクや卵などを恵んでくれると同時に、副産物として年間1tほどのフンを出します。それも、大切な資源なのです」と吉田さん。約半年かけて完熟した堆肥はフカフカで、フンの臭いは全くない。
つまり、生ごみや動物のフンも微生物の力で発酵・堆肥化させ、「KURKKU FIELDS」で実践する循環型農業に用いるのだ。土の栄養をしっかり蓄えて作られる有機野菜は、私たちを食の本質へと導き、おいしい感動を楽しませてくれる。
次に吉田さんが案内してくれたのは、そんな「農」の現場。 「KURKKU FIELDS」の農業部門「耕す」。農場長・伊藤雅史さんがオーガニックファームで育てるのは、化学肥料や農薬を使わず、環境への負担が少ない農法で作られる野菜や穀物だ。
「自然の力を借りて浄化した水はもちろん、動物たちの排泄物やミミズコンポストから作り出された堆肥など、なんでも再利用することができます。本当に捨てるものが無いんです」と伊藤さん。ファーム内でのびのびと暮らす牛や鶏なども、畑にとっては大切なパートナーなのだ。