Jリーグ“最強”クラブは? パワーランキング22位。クラブ力が軒並みアップ! 育成の充実とスポーツ面の成績を見事に両立
サッカークラブの持つ影響力は単一の尺度で測れるものではないが、複数の指標から見えてくるものもある。今回はJ1、J2、J3の全60クラブを対象に、成績、人気、育成、売上の4つの指標を抽出して数値を組み合わせてランキング形式にした。果たして、最も“力のある”Jクラブはどこなのだろうか。※見出しの括弧内の数字は、各項目の1位(最高位)を60ポイント、60位(最下位)を1ポイントとして降順で計算した合計値。
22位:モンテディオ山形(152) 2024リーグ戦成績:4位(J2) 2024シーズンホームグロウン人数:7人(17位タイ) 2024リーグ戦ホームゲーム平均入場者数:1万265人(23位) 2023年度営業収益:25億円(25位) モンテディオ山形にとって、2024シーズンは喜びと悔しさを同時に味わった1年となった。明治安田J2リーグではシーズン終盤に怒涛の9連勝を記録。順位表を一気に駆け上がり、J1昇格プレーオフ(PO)圏内の4位に滑り込んだ。だが、PO準決勝ではファジアーノ岡山に0-3と完敗。レギュラーシーズン5位の相手に下剋上を許してしまった。とはいえ、今の山形には明るい話題も多い。クラブ力を測る各指標は軒並み上昇傾向にあり、2015シーズン以来となるJ1復帰を目指せるだけの底力を持って今シーズンに臨めそうだ。 まずは営業収益を見ていこう。2023年度はリーグ25位の25億円を計上したが、これは前年度の21億9200万円より3億800万円も多い金額となっている。ホームゲーム平均入場者数の伸びも素晴らしい。2024シーズンは平均1万265人がスタジアムに来場。2023シーズンよりも1,947人増えており、厳しい寒さで知られる本拠地『NDソフトスタジアム山形』がサポーターの熱気に満たされていたことが分かる。 何より目を見張るのが育成部門の躍進だ。2024シーズンのホームグロウン人数は7人。リーグ17位タイの成績を収め、山形の育成がJクラブの中でも高いレベルにあることを示した。2023シーズンが3人(34位タイ)だったことを踏まえると短期間で育成選手が急増したかのように思えるが、年少選手やアマチュア選手のスカウティングや海外視察といった活動を丁寧に行ってきたクラブ強化部の継続性があってこその成功である。 育成の充実とスポーツ面の成績を両立させてみせた、2024シーズンの山形。息の長い強化プロジェクトがクラブの躍進を支えるという好例を提示した意義は大きい。
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