トライアウトから約1年、「どん底味わった」J2長崎主将がアビスパ福岡へ 秋野央樹が語った電撃移籍の舞台裏
J2V・ファーレン長崎からJ1アビスパ福岡に完全移籍したMF秋野央樹(30)が6日、決断した理由や迷いを明かした。 ■全治約1年、頼りになるDFも復活の始動【写真特集】 昨年長崎の主将を務めたボランチの秋野は、J1昇格プレーオフ準決勝で仙台に敗れた後、人一倍悔しさをあらわにした。「もちろん今シーズンも長崎でという思いでオフを過ごしていた」というが、昨年12月半ばに代理人を通じてアビスパからオファーがあった。 長崎も6年間攻守の鍵を担ってきた愛着のあるクラブだけに「本当に悩みました。今この状態で長崎を出るのはすごく不本意で。やっぱり昇格させてというのが、一番きれいな形だと思うので」と葛藤した。それでも「自分のサッカーキャリアを考えた時に、もうそこまで長くないのも分かっている。J1からオファーをいただいた時に、本当にチャレンジしたい気持ちが最終的には勝って、こういう決断をしました」と心境の変化を説明した。 今年福岡の監督に就任した金明輝氏の存在も大きかったという。「明輝さんが鳥栖で指揮をしていた時に練習試合を何回かさせてもらったことがあって。前に行ったら背後を取られ、行かなかったら前進させられた。囲碁というか将棋というか、理詰めな感じですごくやりづらく、アグレッシブ。(指揮していた)明輝さんの印象はすごく良いものがあった」と明かす。「内心、アビスパからオファーが来たら行きたいというのはオフに思っていました。そしたら本当に来ました」とも打ち明けた。 2023年秋に長崎から一度は契約満了を告げられ、急きょ監督が代わった昨年1月に再契約した。あれから約1年。「自分はトライアウトを経験していて、一度どん底を味わっている身。けがでほぼ2年間やれない時期もあった。他の人がただJ1にいるよりも価値のあるものかなと思っている。何歳になっても成長できると思う。自分はアスリート能力が決して高いわけではないけど、それでもJ1でやれるところを示したい」と覚悟を込める。6日の新体制発表会では全試合出場を目標に設定。「試合に出る出ないは監督が決めることだと思うけど、けがをしたり病気をしたりしなければ選択肢に入る」と、安定した活躍を誓った。(末継智章) ▼金明輝新監督にサポーター熱視線、今季の目標明言▼