<扶養の壁103万円>を越えたら控除を受けられない?でも18年の改正で実は…専門家が所得税と配偶者控除の仕組みを解説!
◆夫の税金以外にも意識すべき問題 ただ、夫の税金以外にも「103万円の壁」を意識しなければならない問題があります。 それは「所得制限や手当」です。 なお、先の配偶者(特別)控除の金額は夫の所得によっても変わります。 夫が給与年収1095万円(所得900万円)までは一律38万円ですが、1095万円を超えると段階的に下がっていき、1195万円(所得1000万円)を超えるとゼロになります。 該当する方は限られますが、その点も注意しましょう。
◆「103万円の壁」を越えたらどうなる? 妻の年収が103万円を超えた場合、夫は配偶者控除を受けられなくなります。 しかし、前述したとおり、2018年の税制改正により年収150万円までは控除額自体変わらないため、夫の所得税・住民税が増える心配はありません。 一方、妻の方は103万円を超えた金額に対して所得税がかかってきます。 例えば年収110万円であれば所得税の税率は5%です。 課税所得は、●110万円-103万円=7万円 所得税は、●7万円×5%=3500円(復興特別所得税は除く) という計算になります。 妻が年収110万円のとき、103万円に比べて、年7万円収入がアップしますが、所得税が発生して手取りは3500円分減ります。 が、それほど重い負担ではないでしょう。 加えて、年収150万円までは夫の税金への影響もありません。 そのため、すぐに夫の税金への影響は心配しなくてもよいでしょう。 扶養手当の基準や社会保険の扶養の問題を踏まえ、壁を越えるかどうか探っていく必要があります。 「103万円超えたら」ワンポイントアドバイス ●本人の収入に対して所得税がかかるようになる ●夫の税金への影響はなし(年収150万円まで) ●扶養手当や社会保険を踏まえて検討する必要がある ※本稿は、『「扶養の壁」に悩む人が働き損にならないための38のヒント』(発行:東京ニュース通信社、発売:講談社)の一部を再編集したものです。
塚越菜々子
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