考察『光る君へ』45話 笠を脱ぎ捨て、海風を受けて駆けるまひろ(吉高由里子)そして大宰府で周明(松下洸平)と出会う!終盤にきて怒涛の展開の予感
終盤にきて怒涛の展開に?
須磨の浜辺。笠を脱ぎ捨て、まひろは海風を受けて童女のように駆ける。 その魂ははばたき、波の上をはるか空高く飛んでゆく──。 平安貴族の女性が日常的に顔を隠していたのは知っている。身分が高くなればなるほど出歩かないものであることも知っている。しかし、彼女たちが自由に歩いてみたい、思い切り走ってみたいと願わなかったとは誰も言えないだろう。 大河ドラマはドラマなのだから、歴史上の人物たちを作品の中で解放することさえできるのだという場面に心震わせ、泣いた。 まひろが自由を手に入れて鳥のように飛んで行ったのち、都では道長の出家の儀式が厳かに執り行われた。詳細に再現されたために、ドラマであるのにテレビの前でだらっと眺めていてはいけないのではないかという気持ちになり、思わず正座して見届けた。 まひろのいない現世になんの未練もなし。倫子の涙を見ると、道長は夫としては酷い男だ。しかし、彼もまた政治家・藤原道長としての一生をやり遂げたのである、長年政の頂にいたのである。お疲れ様でした……という思いがある。 僧形となった道長のもとに、久しぶりにリラックスした様子で公任、斉信、行成が訪れた。 朝廷の廷臣としてではなく、友人として。 公任「五十過ぎまで誰ひとり欠けることなく来れたことは、感慨深いのう」 道長「あっという間になにもかも過ぎていった。あっけないものだな、人の一生とは」 同世代の視聴者は(わかる)と頷くやり取りではなかったか。 ついに老境に入った友たち。これからは後に続く世代──摂政・頼通のために、もうひと踏ん張りしようではないかと一致団結する。これはこれで、悪くない老後だ。 そして、当の頼通は、入道の道長から文字通りのご指導ご鞭撻叱咤激励を受ける。出家しても、まだまだ道長は完全には現世から放たれることはないようだ。 まひろと乙丸がついに大宰府到着。賑やかな市場で出会ったのは……周明(松下洸平)、やっぱり再登場した !! 終盤にきて怒涛の展開となる予感がする。 次週予告。道長の手を振りほどいて辿り着いた大宰府で、周明に「妻はいるの?」そうだ、まひろはそういう女だった。ついに刀伊の入寇!! 隆家(竜星涼)がこれまでで一番活き活きしている。乙丸、双寿丸(伊藤健太郎)、生きて帰れ。まひろと周明は多分大丈夫だから心配してない。紫式部がその目で刀伊の入寇を見るというぶっとんだ展開、ドラマはこうでなくっちゃね! 46話が楽しみですね。最終回まであと3話! ******************* NHK大河ドラマ『光る君へ』 脚本:大石静 制作統括:内田ゆき、松園武大 演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう 出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、見上愛、南沙良、岸谷五朗 他 プロデューサー:大越大士 音楽:冬野ユミ 語り:伊東敏恵アナウンサー *このレビューは、ドラマの設定(掲載時点の最新話まで)をもとに記述しています。 *******************
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