国民栄誉賞を受賞決定 羽生善治氏が会見(全文)応援が前に進む原動力
将棋の魅力、以前と最近、どのように変わってきているのか? また今後はどうなるのか
朝日新聞:朝日新聞の【ムラセ 00:12:21】です。羽生竜王、どうもおめでとうございました。 羽生:どうもありがとうございます。 朝日新聞:これまでたくさんの実績を積み重ねてこられて今回の受賞に至ったということかとは思うんですけれども、2点伺いたいんですが、ご自身でここまで一貫してやってこられた哲学といいますか、棋士としてこういうふうに心掛けてやってきたということがあればそれを伺いたいということと、あとはデビューされたころとだいぶ将棋の環境も変わりましたけれども、あらためて将棋の魅力というのが、以前と最近とでどのように変わってきているか、今後どうなるかというこの2点を伺えますでしょうか。 羽生:そうですね、将棋の世界はやっぱり非常に変化が速い世界だという認識を持っています。ですから過去にどんな実績があろうとも、やっぱり今ある流れといいますか、潮流に乗り遅れてしまうと、やっぱり取り残されてしまうということが常にあるので、自分自身では挑戦していく気持ちといいますか、負けることがあっても、結果が出ないことがあっても、自分なりに思い切ったことをやっていこうという気持ちを極力失わないように続けてきたつもりではあります。ただ、時にはちょっと保守的になってしまうことがあるのも実情です。 2つ目の質問ですけれども、やはり棋士になって三十数年で、本当に将棋の世界、取り巻く環境が変わったと思っています。本当にさまざまなメディア、形で将棋を取り上げていただいたり、あるいは中継があったり、あるいは将棋は指さないけれども見るファンの人たちが増えたり、本当にそういう環境が大きく変わってきた。やはりこれはたくさんの人が、日々の生活というのはなかなか忙しいと思うんですけれども、その合間、合間のちょっとした時間の中の憩いのひとときとして将棋というものがあり続けられたらいいんではないかなっていうふうに個人的には思っていて、そのための環境といいますか、そういうこともこれから先は大事になっていくのかなというふうにも思っています。 司会:ほか、ございますでしょうか。