「独自性」「効率化」が鍵となる大網流の事業拡大戦略とは。2023年「ベストチーム賞」 受賞のマーケティング担当者に直撃インタビュー
在庫回転率の向上に貢献しているのがメルマガによる販促。「特徴は、一般的なメルマガの開封率を大きく上回るという点」(広報担当者)と自負している。メルマガの開封率が高い理由の1つには、顧客特性がある。 顧客の多くはインターネットに対するリテラシーが高いため、メルマガを希望しない顧客は、あらかじめメルマガ受信をオプトアウトする。言い換えれば、受信している顧客は大網の販促に対する感度が高いため、高い開封率につながっているのだ。 ■ 「店舗ならでは」「ECならでは」の長所に着目、相互送客 小林氏は実店舗とECそれぞれの長所を生かす事業展開を重視している。たとえば、主力商品であるフィギュアは、原価高騰の影響で販売価格も上昇傾向にあるため、顧客からは「実物を見たい」という要望が多い。
これに応えるのが実店舗。横幅10メートル、高さ3メートルほどのショーケースを設置して、300体ほどのフィギュアサンプルや完成品を展示。販促につなげている。
実物の商品を見てもらってからECでの購買につなげることも意識。実店舗では、大型ショーケースのなかで、メーカー各社がこれから発売予定の商品を展示できるコーナーを設置し、見込み顧客の獲得につなげている。オンライン限定で販売予定の商品は店頭でもその旨を掲示、オンラインへの送客を図っているのだ。
ECで活躍する人材は「好奇心旺盛な人」
「ネットショップ担当者アワード」ではEC業界における個人やチームの功績や取り組みを顕彰したが、EC業界で要望・活躍できるような人物像を小林氏にたずねてみた。
┌────────── ECでは急速に情報技術が発展しているので、それを実際のビジネスにどのように取り込んでいくのかは、これからも重要になっていくと考えています。そのためには、最新の情報技術に精通しているとともに、自社のビジネスを理解している人材が必要だと思います。やはり両方に精通しておかないと、技術の進歩を自社のビジネスに還元して落とし込んでいくには難しいと思うからです。