名医が指導、3か月で平均5kg減の「脱・脂肪肝ダイエット」脂肪の放置は病を招く
1か月後:無理なく2kg減に成功。体重計に乗るのが楽しみに
尾形先生が患者さんに指導する基本の5か条をもとに毎日、体重や食べたものを記録し、もしもお菓子を食べてしまったら娘に申告すると決め、自らを律した由美さん。夕食を作るついでに野菜を洗ってカットし、朝食用のスープの下ごしらえもすませた。 ランチは勤務先のスーパーのお弁当をもらうことが多いが、ご飯は先に食べていい量をお箸で分け、食べすぎを防止。さらに自宅からミニトマトやブロッコリーを持参して、野菜不足を補い、ベジファーストも実践した。 体重は約1か月で2kg減量、血液検査の結果もAST54、ALT104、γ-GTP29に数値が改善した。 この結果に尾形先生は「まず頑張ったご自身を褒めてあげましょう!」と労った。 「仕事がない日の昼食は、手の込んだ料理をする気になれなくて……夕飯のおかずを増やすのも続けられる自信がないし、ダイエットにすでに挫折しそうなんです」 と不安を口にする由美さん。これに対し先生は、 「うまく手を抜いてOK。カット野菜や少量サイズの肉で作るひとり鍋なら簡単だし、野菜もしっかりとれます。夕飯はスーパーの惣菜コーナーに頼るのも手です」 と励ました。さらに食後2~3時間ですぐにお腹がすいてしまうという悩みには、 「腹八分目の食事で空腹を感じられるのは理想的。それは肝臓の脂肪がエネルギーに変えられる貴重な時間なんです。どうしてもお腹がすくときは、手のひらに軽くのる25gまでと決めてナッツを。ゆで卵もいいですね」 と答えて、由美さんを勇気づけた。
2か月後:停滞期に突入するも、甘いものを食べなくても平気に
2か月目からは、食事にタンパク質を積極的にプラスするよう指導があった。 「最初の1か月は糖質の摂取を抑え余分な脂肪を減らしてきましたが、それだけでは筋肉量が落ちて痩せにくくなります。スープに溶き卵を入れたり、おかずに豚こま肉や鶏つくね、さば缶、豆腐を加えてタンパク質補給を意識して。納豆を1日2パック食べるのも手軽でよいでしょう」 理想は毎食20~30gタンパク質を摂取すること。これは肉と魚なら100g、卵なら1個、納豆1パック、豆腐1/3丁、無糖ヨーグルト150gに相当する。 「納豆、豆腐、ゆで卵、サラダチキン、ツナ缶、さば缶、チーズは常備しておきたい神セブンと言っているんですよ(笑)」 スーパーの出来合いの惣菜を利用し、無理なく食事管理ができるようになった由美さん。食事にタンパク質を加えたことで空腹感が減り、口寂しいときはハーブティーを飲むなどしてお菓子を食べることを減らした。 しかし、体重はなかなか減らず、マイナス1.5kg減止まり。しかし、血液検査の結果はAST27、ALT50、γ-GTP18にまで下がり、症状は改善した。 「体重が減らないので長風呂をして汗をかいたり、水分を控えてみました」と言う由美さんに対し、尾形先生は、 「水を飲んでやせるというのは誤解。水分を控えて脂肪が減るわけではありませんし、むしろ肝臓への血流量が落ち、太りやすくなってしまいます。 減量中こそ意識してお水を飲んで、食事の前後30分の間にスクワットをして、むくみを解消しましょう。10回2セットを1日1回から始めてください」と指導。