名医が指導、3か月で平均5kg減の「脱・脂肪肝ダイエット」脂肪の放置は病を招く
まずは甘い飲み物をやめることが大切
「肝心なのは、脂肪肝や脂肪肝炎のうちに減量して、肝臓の数値を整えること。特別な薬はないので“食事で肝臓の脂肪を落とすこと”が基本」 尾形先生は生体肝移植のドナーのために、脂肪肝を短期間で改善する食事法を長年、科学的に研究してきた。スマート外来では患者の8割以上を3か月で5kg減量させ、脂肪肝改善に導くメソッドを確立している。 「一番重要なのは、継続的に体重を落として健康を維持し続けること。そのために頑張らなくて済む方法を患者さんと一緒に考えています。 なによりもまず、甘い飲み物をやめましょう。食べ物よりも飲み物のほうがより肝臓に障害を与えることがわかっているんですよ」 今回は尾形先生の患者・中川由美さん(仮名)の例をもとに、食事法で減量し、脂肪肝を改善する方法をご紹介。
脱・脂肪肝に成功した中川由美さん(40代)3か月間の記録
初受診:体重66kg、脂肪肝炎発症「5kgの減量」を指導される 40代の中川由美さんは出産を機に12kgほど増量。ダイエットのために朝食を玄米シリアルやバナナスムージーにしたり、野菜ジュースをとってきた。 白米には雑穀を混ぜ、お酒もほとんど飲まず身体によい食生活を心がけ、さらには、脂肪を落とすと謳うサプリメントを飲んだりもしたが、体重は一向に落ちなかった。健康診断で肝機能検査がE判定に。それをきっかけに、スマート外来を受診。 「由美さんの血液検査の結果はAST58、ALT121、γ-GTP48なので脂肪肝炎が起きている状態ですね。脂肪肝で肥満がある方の場合、体重の7%減量すれば肝臓の炎症がなくなります。由美さんは現在66kgなので、マイナス4.62kg…つまり5kg減量がベスト。 ただし急激な減量はリバウンドの原因にもなるので、1か月の減量は体重の3%以内にとどめて。最初の1か月で2kg減量できた患者さんは、ほぼ全員がその後3か月で5kg減量を達成しているので、まず2kg減を目標にしてみませんか」 と、尾形先生はアドバイスした。 「食べる量を減らせばよいのでしょうか?」という由美さんの質問に尾形先生は、 「減らすのは主食の量だけで。おかずや野菜はたっぷりとってください。お米やパン、麺などはすべて脂肪になりやすい精製糖質なので、それを減らすことが最優先。そして無理のない方法で、肝臓をいたわる食事法にかえることが大切なんです」 と説明。由美さんの食生活は、ダイエットのために飲んでいた野菜ジュースに糖質がたくさん含まれていたり、添加物を含むサプリメントも肝臓への負担になっていた。よかれと思って続けていた食生活をまずは見直すことが重要だったのだ。