JR西日本だから鉄分多め?大阪駅直結「最高峰ホテル」の内側 マリオットと組んだ「唯一無二」の特徴とは
鉄板焼のコースメニューにも「ホテルのコンセプトである、“駅”を意識し、西日本の食材で旅をしていただくことをイメージしている」と共通のテーマを意識する。また、「グランヴィアグループ各所からスタッフが集結したため、これまでのやり方と異なる点や、海外のお客さまも多くお見えになる点、ラグジュアリーホテルでの経験値の差など、新たな刺激も多く、やりがいを感じる」と話す。 同じくホテルグランヴィア京都からやってきたのが、チーフコンシェルジュの米谷紗央里さんだ。海外経験も豊富で、世界的なコンシェルジュ組織である、「レ・クレドール ジャパン」の会員の一人。「ここにきた当初は、マリオットブランドを愛するお客さまが多かったのが印象的でした。まずはホテルに滞在することを楽しみにしているから、あまり外にお出かけにならず、コンシェルジュとしては少し切ない時期もありました」と笑顔で当時を振り返る。
コンシェルジュの仕事は地域に精通した知識が欠かせないが、「大阪のお店などは今も日々勉強中です。ただ、交通の便がよいホテルのため、京都に行きたいというお客さまも多く、経験が活かせることも多い」。 ■自ら発信するスタイルにチャレンジ 8年間勤めた京都を離れ、仕事の環境も大きく変わる大阪にやってきた米谷さんだが、「今在籍する5人のうち、コンシェルジュ経験者は2人で、大阪、岡山、奈良などからスタッフが集結しているためコンシェルジュという職種上では大きなメリットだと思っています。ほかのスタッフも西日本各所から集まってきているので、その長所を活かしたここならではのサービスが提供できるはず」と話す。加えて、「既存のコンシェルジュはお客さまからお声かけをいただいてから動くというスタイルですが、これからは自ら発信していく新しいスタイルにもチャレンジしたい」と意気込む。
ラグジュアリーホテルの中には部屋数を限定し、個々のゲストが享受できる時間や空間を確保しているものもある中、大阪ステーションホテルは“駅近ホテル”という性格も持ち合わせる。「大阪駅直結という地の利だけでは負けてしまう」と、佐藤氏はすでに楽観視をしていない。418室という客室数のゲストに、ブランドにふさわしいハイクオリティなひとときを提供しつつ、グループ全体にどのような変化をもたらすのか。次のチャレンジが始まっている。
【写真を見る】ホテルの通路には鉄道の電線などを支えた「碍子」のオブジェ。フロントは昔の改札、壁面は山陽新幹線のダイヤグラムがモチーフ? あの懐かしの「紙コップ」も
村上 悠太 :鉄道写真家