JR西日本だから鉄分多め?大阪駅直結「最高峰ホテル」の内側 マリオットと組んだ「唯一無二」の特徴とは
1997年に開業したホテルグランヴィア京都は、JR西日本が100%出資しグランヴィアブランドの中でも旗艦店と言える存在であり、佐藤氏も総支配人を務めた。「周囲に外資系のホテルが増えていく中、自分たちの“ラグジュアリー”は、価格帯を含めてまだ足りないと痛感した。顧客ニーズももう少し高いところにある実情もありながら、新しいノウハウを取り入れたいという思いから今回の提携につながった」。 大阪ステーションホテルで培った経験を、既存のブランドにも波及し、底上げを図る狙いもある。
■24時間いつでもチェックイン・チェックアウト 同社初の試みは佐藤氏にとっても発見の日々だ。「まず、会員組織の充実さを感じました。マリオットの旅行プログラムであるマリオットボンヴォイは会員特典が豊富で、弊社ホテルでは対応したことがないものも少なくない。最上級会員なら24時間自由にチェックインアウトタイムがリクエストでき、ホテルステイを楽しむことに重きを置いた会員も多いのが印象的」。 一方で、こうした特典はホテル側にとっては混雑時などに事務手続きの煩雑につながりかねない。「ホテル側は混雑状況に応じて、特典利用をお断りする権利はあるにはあります。しかし、安定した特典利用環境の維持は必須要素。チェックアウトが遅くなれば、今度はチェックインの時間と重なってくるので、高稼働率となったときの課題は積極的に解決したい」。
現在の利用者はマリオットボンヴォイ会員が多く、インバウンド需要も高い。関空へのアクセス特急「はるか」がホテルに近い大阪駅地下ホーム発着というのも大きな利点のひとつだ。一方で、「国内のマリオット会員からの注目度も非常に高く、開業直後は日本人の利用率も高かった」と話す。会員の中では新しいマリオット系列ホテルができると“ひとまず泊まりにいく”のが流儀のようで、国内会員が開業時に集中したのはそうした背景もあったのだろう。