優秀な部下に「私ばかり仕事をして不公平」とキレられた上司は“MBO”を見直すべきかも
目標設定=仕事のアサインは平等にし、+αの「期待」を伝える
ご質問者の会社でMBOを実際に入れているかはわかりませんが、制度として正式に入れていなくても、目標設定=仕事のアサインは必ずしているでしょうから、似たようなことが起こっているかもしれません。 正式な制度であれ、ゆるい握りであれ、もしMBOを行うのであれば、人事制度では同レベルの目標設定をした上で、優秀な人材には「君には期待しているので、この目標をはるかに超えるレベルの成果を出して欲しい」とすべきです。 制度上の公式な目標とは別に非公式なマネジメント上の期待目標を部下と握るということです。これであれば、頑張った分だけ評価をされることになり、やりがいがあるというものです。
そのMBOは社員の自発性を引き出せているか
もともとMBOは社員の自発性を引き出すことで、創造性や生産性を高めようとする思想です。それがこのように逆効果になってしまっては本意ではないでしょう。 厳密にやるなら、先に述べたように目標や仕事のアサインをちゃんと平等にするか、もしくはいっそのこと目標達成度で評価する制度などやめてしまって、仕事の方向性のみ示した上で、出した結果を後で相対評価するのもありかもしれません(オリンピックの100m走で例えるなら、9秒7なら金メダルと達成度で評価するのでなく、いちばん速く走った人を金メダルとするということです)。 MBOは最終的に目指すゴールを個々人レベルで明確化することで人々が動きやすくなり、組織として仕事に抜け漏れがなくなるなど、メリットもたくさんあるので多くの企業で導入されているわけですが、一度、実際に本稿のような優秀な人材が不満を持つ問題が起こっていないか、ぜひ確認してみてください。 グラフィックファシリテーター®やまざきゆにこ=イラスト・監修 曽和利光さんとリクルート時代の同期。組織のモヤモヤを描き続けて、ありたい未来を絵筆で支援した数は400超。 曽和利光=文
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