製造物責任法(PL法)とは?わかりやすく解説、「損害賠償金」支払った10社の事例紹介
製造物責任法(PL法)とは、製造業者が作った製品によって、誰かが生命・身体の危機にさらされたり経済的損害を被ることがあった場合に、その被害者が製造業者に対して損害賠償を求めることができる法律である。時々、企業の製品欠陥によりケガをしたり火災が発生したりといったニュースを目にすることがあるかもしれないが、このように製品欠陥が原因の事故が起きれば、製造業者である企業はPL法に基づき損害賠償金を被害者に支払うことになる。それでは、どんな製品がPL法の対象になるのか、製品の欠陥で損害賠償請求があったらどう対処すれば良いのか。本記事では、PL法をわかりやすく解説する。
製造物責任法(PL法)とは何か
製造物責任法(PL法)とは、製造業者が製造した製品の欠陥によって、誰かが生命や身体または財産に損害を被った場合、その被害者が製造業者などに対して損害賠償を求められることを規定した法律である。1994年に「被害者を保護し、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的として制定された法律だ。 これを踏まえると、製品を製造するすべての企業には、少なからず損害賠償請求を受けるリスクがあり、そのため、自社がどれだけPL法に関わっているのか、対策はできているのかを理解しておく必要がある。 PJ法を考える際にポイントになるのが、「自社の作る製造物は、PL法の対象になるのか」だ。たとえば、「自動車の欠陥により事故が起きた場合、自動車はPL法の対象になるのか、その部品を作ってる企業は対象になるのか」や、「加工食品で欠陥が見つかった場合、その原材料を提供する企業も対象なのか」などがポイントになる。 また、「どのようなケースの場合、製品自体に欠陥があった、と判断するのか」や「どこからを損害と考えるのか」などだ。製品を製造する企業は、これらポイントを理解しておく必要があるのだ。 ここからは、PL法の対象製品の見極め方をはじめ、PL法の対象となる事業者、過去の「損害倍書」の事例を解説する。