高校の必修科目「情報」、実際何を学んでいる? 「プログラミングだけを学ぶと考えるのは間違い」
■小中学生のうちにやっておくといいことは? ――最近はプログラミング教室もたくさんあって、通っている子も結構いるようです。やはりプログラミングを習っておいたほうがいいのでしょうか。 子どもから「やりたい」というのであれば問題ありません。ただ、親の意向だけで子どもにプログラミング教室に通わせる必要はありません。 それよりも私は「パソコンを使う経験」を小中学生のうちに十分にやっておいてほしいと思います。高校の「情報1」の授業では、WordやExcel、PowerPointの使い方を丁寧に教えるといったことはやらないのです。ある程度できるという前提で授業が進められていきますので、「今までまったくパソコンに触ったことがない」という子が高校で情報1の授業についていくのは、けっこう大変に感じるのではないかと思います。 ――スマホやタブレットを自由に操れる子なら大丈夫? いいえ、スマホやタブレットではなくパソコンです。「キーボードが打てる」ことが重要だからです。タブレットにキーボードを外付けするのならそれでもいいでしょう。 「情報1」では情報を編集し、発信するといった「情報を作る側になる」「主体的に関わっていく」ことが求められます。それには「キーボード入力」が不可欠。 最初はWordで文章を入力し、日記を書く程度のことで十分。キーボードを使うことに少しずつ慣れていきましょう。 (聞き手・構成/船木麻里) 〇松尾康徳(まつお・やすのり)/代々木ゼミナール情報科講師。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。IT雑誌の編集、営業支援システム企画業務を経て、IT系の専門学校非常勤講師としてITの国家資格試験対策や各種実習授業を担当。2022年から大学受験予備校・代々木ゼミナールの情報科講師として授業を行うほか、テキスト執筆、模試の問題作成や高校への出張授業も行っている。著書に『教養としての<情報1>』(技術評論社)がある。
船木麻里