AIは弁護士から仕事を奪うのか? 「AI法律相談」のすすめ
7. 相続トラブル時のAI活用のススメ
相続でわからないことがあったり、相続トラブルが生じそうになったら、まずはAIを使って、質問したいことをプロンプトにして聞いてみましょう。 その答えが正しいとは限りませんが、少なくとも考え方のヒントにはなると思います。 相続を解決するためには、「自分でやらなければならない手続き」「自分でやろうと思えばなんとかなる手続き」「弁護士や司法書士、税理士に任せた方がよい手続き」など、いろいろあります。 AIで書類を作成できるようになれば、自分で行うことができる手続きの範囲が増えることが期待できます。 しかし、その書類の内容が正しいか、恥ずかしくない内容であるかは定かでありません。交渉でまとまらない場合や調停や訴訟になる場合などは結局は弁護士に依頼するということがまだまだ一般的かと思います。 激しい争いにならないように、事前に弁護士に相談しておくということも有効です。
8. まとめ
AIの進化により法律に関する調査や質問への回答、書類の作成については効率化されていくでしょう。 これにより紛争自体が減る可能性や、紛争が生じても弁護士なしで解決することができる可能性が高まることは否定できません。 一方、AI時代に必要とされる弁護士は、①争いのある事実についての主張立証の技術や経験がある、②未知の領域への対応や学習を怠らない、③コミュニケーションや交渉の能力が優れている、ということになります。 一般の方が弁護士に相談される際には、自分でAIを使ってある程度調査した上で、上記の能力がありそうな弁護士を探して相談してみるのが有益です。相談は早くて損をすることはありません。 特に相続トラブルは、相手は当然親族ということになりますから、争いなどない方がよいに決まっています。問題が深刻化する前に、AIや弁護士を活用するとよいでしょう。 (記事は2024年11月1日時点の情報に基づいています)
寺垣俊介