妊娠中に乳がんが発覚、「余命半年」と言われて…31歳の女性が「自身の経験」を発信するその理由とは「私は5分さえも当たり前だと思っていません」
世界で最もよく見られるがんであり、女性のがん死亡の主な原因となっている「乳がん」※WHO(世界保健機関)より。 【動画】覚悟を決め髪を切る瞬間も…「乳がん」発覚後から治療後のリンジーさんを収めた映像 ある女性は、第2子の妊娠後期に自身の乳房にしこりを見つけ、その後乳がんだと診断されたという。余命半年と言われたものの病気と闘い続け、現在2人の娘の母親として幸せに暮らす女性のストーリーをお届け。
妊娠中に乳房にしこりを発見
コンテンツクリエイターでもあり、2人の娘の母親でもあるリンジー・グリットンさん(31歳)。『PEOPLE』誌によると、彼女は第2子の妊娠34週目に自身の乳房にしこりを発見。最初は母乳が乳管に詰まっていると思っていたものの、痛みは消えず医師の診断を受けることに。医師は乳腺炎と診断したが、「もっとなにかありそう」と思った彼女は、超音波検査を求め、その選択が自身の命を救ったという。 検査の結果“乳がん”と診断され、できるだけ早く治療を開始するために妊娠37週目に誘発分娩を行い、無事に次女のサバンナを出産。そして出産から1週間後の2022年5月、当時29歳だったリンジーさんは「ステージ4の乳がん(骨や肺、脳、肝臓などにも転移した乳がんのこと。転移性乳がん、MBCとも呼ばれる)」と診断され、肝臓に十数個の腫瘍があることがわかり、余命半年との宣告を受けることに。 夫のスペンサーさんと車内にいるときに診断結果を携帯電話で受け取り、そのときのことを「胸が張り裂けるような思いだった」とリンジーさんは語っている。しかし恐怖を感じながらも、彼女は「家族のために必要なことは何でもしなければならないと思った」と覚悟を決めていたという。
娘たちとがんのことばかり考える日々
6カ月の化学療法に耐え、3週間ごとに3時間ずつがん専門医のもとに通ったリンジーさん。また治療のためサバンナに授乳することができず、髪が抜け始めたときのことをこのように明かしている。 「母乳を与えられないこと、髪を失うこと、すべてを奪われるのは、 女性である私にとっては大変なことでした」 さらに、娘たちが成長するのを見届けられないかもしれないという不安を抱き続け、手紙を書いたり動画をつくったりすることで、頭がいっぱいになったときもあったという。 「死ぬ前に娘たちのために何ができるだろうか。毎日がんのことばかり考えていました」 治療に専念した結果、現在リンジーさんは免疫療法薬を服用し続け、毎年何度もPET検査を受けている。癌の兆候がなく元気に暮らしている今、娘たちとの思い出を作りたいと意気込んでいるよう。